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03月09日-03号

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  1. 帯広市議会 2022-03-08
    03月09日-03号


    取得元: 帯広市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    令和 4年第2回 3月定例会〇議事日程日程 番号事件番号内  容  等第1  会議録署名議員の指名について第2  議員の辞職について第3議案第4号令和4年度帯広市一般会計予算議案第5号令和4年度帯広市国民健康保険会計予算議案第6号令和4年度帯広市後期高齢者医療会計予算議案第7号令和4年度帯広市介護保険会計予算議案第8号令和4年度帯広市中島霊園事業会計予算議案第9号令和4年度帯広市ばんえい競馬会計予算議案第10号令和4年度帯広市駐車場事業会計予算議案第11号令和4年度帯広市水道事業会計予算議案第12号令和4年度帯広市下水道事業会計予算議案第13号義務教育学校の設置に伴う関係条例の整理に関する条例制定について議案第14号帯広市個人情報保護条例の一部改正について議案第15号帯広市消防団条例の一部改正について議案第16号帯広市消防団員等公務災害補償条例の一部改正について議案第17号帯広市乳幼児等医療費特別給付金条例の一部改正について議案第18号帯広市重度心身障害者及びひとり親家庭等医療費特別給付金条例の一部改正について議案第19号帯広市がん対策推進条例の一部改正について議案第20号帯広市国民健康保険条例の一部改正について議案第22号市道路線の認定について議案第23号市道路線の変更について議案第33号帯広市職員の育児休業等に関する条例の一部改正について議案第34号帯広市国民健康保険条例の一部改正について     一般質問について     ──────────────〇会議に付した事件 議事日程に同じ     ──────────────〇出席議員(28人)    1番       石 橋 勝 美    2番       佐々木 直 美    3番       椎 名   成    4番       上 野 庸 介    5番       林   佳奈子    6番       小 椋 則 幸    7番       鬼 塚 英 喜    8番       大 平 亮 介    9番       菊 地 ル ツ    10番       大 林 愛 慶    11番       清 水 隆 吉    12番       今 野 祐 子    13番       藤 澤 昌 隆    14番       大和田 三 朗    15番       木 幡 裕 之    16番       石 井 宏 治    17番       西 本 嘉 伸    18番       杉 野 智 美    19番       楢 山 直 義    20番       鈴 木 正 孝    21番       稗 貫 秀 次    23番       大竹口 武 光    24番       大 塚   徹    25番       横 山 明 美    26番       佐々木 勇 一    27番       稲 葉 典 昭    28番       鈴 木 仁 志    29番       有 城 正 憲     ──────────────〇欠席議員(1人)    22番       小 森 唯 永     ──────────────〇出席説明員 市長          米 沢 則 寿 副市長         前 田 正 明 副市長         田 中 敬 二 公営企業管理者     中 野 雅 弘 教育長         池 原 佳 一 代表監査委員      川 端 洋 之 政策推進部長      関 口 俊 彦 総務部長        廣 瀬   智 職員監         河 原 康 博 市民福祉部長      下 野 一 人 市民福祉部保健医療担当参事             五十嵐 ゆかり 経済部長        相 澤   充 経済部参事       礒 野 照 弘 農政部長        池 守 康 浩 都市環境部長・新総体整備推進室参事             和 田 亮 一 上下水道部長      倉 口 雅 充 学校教育部長      広 瀬 容 孝 生涯学習部長      井 上   猛 選挙管理委員会事務局長 野 原 隆 美 監査委員事務局長    河 本 伸 一 農業委員会事務局長   山 名 克 之 選挙管理委員会委員長  織 田 雅 徳 選挙管理委員会委員長職務代理者             渡 邉 理惠子 農業委員会会長     中 谷 敏 明     ──────────────〇事務局出席職員 事務局長        小 池 晃 一 書記          木 下 忠 実 書記          澤 口 智 邦 書記          西 端 大 輔 書記          鈴 木 秀 平 書記          蓑 島 優 貴 書記          橋 場 大 地     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~         午前10時0分開議 ○有城正憲議長 ただいまから、本日の会議を開きます。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○有城正憲議長 ここで、事務局長に本日の議事日程などについて報告させます。 ◎小池晃一事務局長 報告いたします。 本日の出席議員は28人であります。 次に、議員辞職願の受理について申し上げます。 小森唯永議員より議員辞職願が提出され、3月8日付受理いたしております。 最後に、本日の議事日程でありますが、お手元に配付の議事日程表第3号により御了承いただきたいと思います。 報告は以上であります。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○有城正憲議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、9番菊地ルツ議員及び10番大林愛慶議員を指名いたします。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○有城正憲議長 日程第2、議員の辞職についてを議題といたします。 本件は、3月8日付受理いたしました小森唯永議員からの議員辞職願に関わるものであります。 ここで、辞職願を朗読させます。 ◎木下忠実書記 朗読いたします。 辞職願 一身上の都合により、帯広市議会議員を辞職いたします。よろしくお取り計りをお願い申し上げます。 令和4年3月8日、帯広市議会議員小森唯永。 帯広市議会議長有城正憲様。 以上であります。 ○有城正憲議長 これから採決を行います。 お諮りいたします。 小森唯永議員の議員辞職を許可することに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○有城正憲議長 御異議なしと認めますので、小森唯永議員の議員辞職を許可することに決定いたしました。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○有城正憲議長 日程第3、議案第4号令和4年度帯広市一般会計予算外21件を一括して議題といたします。 これから昨日に引き続き、議案に対する大綱質疑並びに一般質問を行います。 初めに、稲葉典昭議員から発言の通告があります。 27番稲葉典昭議員、登壇願います。   〔27番稲葉典昭議員・登壇・拍手〕 ◆27番(稲葉典昭議員) おはようございます。 新型コロナウイルス感染症の世界の感染者4億2,000万人、死者600万人突破と、次々と変異を繰り返しながら、パンデミックは収束の気配さえ見せておりません。 そのさなか、2月24日にロシアは、一方的に独立承認したウクライナの東部地域にロシア軍を侵入させるとともに、ウクライナ各地への攻撃を始めました。これはウクライナの主権と領土を侵し、国連憲章、国際法を踏みにじる紛れもない侵略行為であり、断じて許されるものではありません。同時に、プーチン大統領は、この侵略行為に当たってロシアが核兵器大国であることを誇示し、欧米の批判や制裁の動きに対抗する姿勢を見せており、核兵器で世界を威嚇するなど、決して許されるものではなく、怒りを込めて糾弾するものでございます。 帯広市内をはじめとした日本や世界の各地、ロシア国内でも抗議が広がり、ロシアの約2,000人の科学者らが、公開書簡で侵略に断固反対を表明しています。世界で3番目に新型コロナウイルス患者を出しているロシアは、直ちに侵略行為をやめ、国内と世界の感染対策に全力を挙げるべきでございます。 帯広市が、核兵器廃絶平和都市宣言を行ってから30年です。くしくも宣言を行った1991年は、ソ連が崩壊した年でもあります。宣言は、かけがえのない地球をまもり、子どもたちにひきつぐことは、今を生きるすべての人びとの果たさなければならない責務です、わたしたちは、全世界にむけ核兵器の廃絶と戦争の根絶を訴えつづけなければなりませんと宣言し、これまでも米国や北朝鮮など核実験を行った国々に、その都度、抗議を行ってきました。 今回も、ウクライナ侵略と核先制攻撃の威嚇に対し、宣言の立場から抗議文を送付しましたが、その内容と抗議文送付の思いをお聞きいたします。 新型コロナウイルス感染症オミクロン株の感染拡大ですが、パンデミックを宣言し3年がたちますが、これまでの予想を超える規模になっています。 昨年は、8月に600人の感染者を出した後、10月から12月の3か月間で感染者は4名。新型コロナウイルス感染症に関わっての一般質問も、12月議会でパート6。3月議会からはコロナ後のまちづくりについて質疑できると思い、第6波に備え、医療機関と高齢介護施設、保育所や学校における感染防止対策の強化とPCR検査の徹底で感染拡大を起こさせない体制づくり、保健所と医療機関の体制強化などを感染が弱まっている今こそ行うべきと議論してまいりました。 岸田政権に替わりましたが、成り行き任せの対応で深刻な事態が続き、全国知事会も緊急提言を発出し、事態の打開を国に求めております。 厚生労働省アドバイザリーボードの報告書を基に、各メディアは、感染者数はピークアウトしたと報じましたが、帯広・十勝の現状は、コロナ危機が始まって以来、一番深刻と言える事態が続いています。 新型コロナウイルス感染症は、アルファ株、ベータ株、ガンマ株、デルタ株、オミクロン株と、変異を繰り返し感染拡大を起こしてきました。 十勝では、2020年2月末に発見されてから、月の感染者数は多くても10人という月が続きましたが、GoToトラベル後一気に拡大し、11月201人、12月328人、その後、上下しながら5月に426人、8月に600人、10月から12月は4人と一気に減少。そしてオミクロン株に変異して、感染拡大の規模が異次元に跳ね上がりました。1月は、新規感染者が744人と最高を更新し、北海道では重症者ゼロなのに、死者数27人と過去最高を記録。この傾向は2月さらに激しくなり、新規感染者数3,650人、北海道の死者数255人、新規感染者数は2年間の合計2,301人を大きく超え、死者数は1月の10倍という激しさでした。しかも、十勝では初めて19市町村全てで、2週間連続で感染者を出しています。 現在患者数も、2月の上旬、初めて1,000名を突破し、高水準が続いています。2月5日に40人まで減った入院患者数は23日87名、一旦4名まで減った宿泊療養者は87名にまで増え、最も増えたのは自宅療養で800人台、施設療養は300人近くまで増え、自宅と施設医療や療養施設でない場所に約9割の患者が置かれているというのが、今の十勝の現状でございます。 こうした十勝の現状についてどう考えるのか、これまでの感染拡大とオミクロン株の違いについてお聞きをいたします。 12月議会で、来年1月から2月にピークを迎えるおそれがあると言われている新型コロナウイルスの第6波を起こさない、医療崩壊を起こさない対策が必要。そして、ワクチンと検査、保健と医療体制の構築など、具体的にお聞きもしてまいりました。 それから2か月、危惧した感染拡大が現実のものとなり、2年近くの経験がどのように生かされているのでしょうか。お聞きをいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大が長引き、不安定な雇用や収入減、原油価格の高騰や円安など、生活物資の相次ぐ値上げが市民生活を直撃しています。12月の灯油購入助成制度住民税非課税世帯等への臨時特別給付金など、新たな支援制度も始まりました。 これまでの支援制度は継続されているのでしょうか。新たな支援制度も含め、活用状況をお聞きをいたします。 コロナ禍の中で、国内総生産も乱高下を繰り返し、2021年は第1四半期マイナス、第2四半期プラス、第3四半期マイナス、そして先日発表された第4四半期は年率換算で5.4%増となりましたが、明らかにコロナ禍の進展に左右された結果であります。 2021年の速報値は実質で1.7%と、3年ぶりのプラス成長となりました。3年ぶりといっても、2019年は消費税10%への増税で落ち込み、2020年はそれに輪をかけたコロナ不況、それを僅かに上回ったというだけで、他国のように胸を張ってコロナ前に回復したと言える状況ではありません。しかも、年明け以降はオミクロン株の流行で、日本経済は、回復はおろか再び厳しい状況に陥っております。 市民の暮らしの現状ですが、昨年末から1月にかけて私どもが行った市民アンケートを見ますと、大変苦しい、やや苦しいが最も多く53.3%、市政への要望を見ますと国保料など保険料の引下げが最も多く、収入が減少している中で、高い保険料が生活を圧迫しています。2位、3位は、医療、介護の充実と新型コロナウイルス対策が占め、コロナ禍の中で生活と健康の不安の高まりを感じます。時節柄、除排雪の充実や温暖化対策、再生可能エネルギーの導入も上位を占めています。 総務省の労働力調査によると、昨年12月の就業者数は、その2年前から84万人減ったままであり、GDPの6割を占める個人消費を喚起する雇用環境の改善が鍵となります。 十勝・帯広の地域経済の現状は、コロナ禍の中でどうなってきたでしょうか。お聞きをいたします。 岸田首相は施政方針演説で、公平な分配が行われず生じた格差や貧困の問題を上げ、新自由主義的な考え方が生んだ様々な弊害を乗り越え、新しい資本主義の実現を目指すと述べました。 新自由主義的な考えが生んだ様々な弊害とは何なんでしょうか。1980年代に始まり、1990年代に本格化した、今だけ、金だけ、自分だけという新自由主義は、日本社会を、人々に自己責任を押しつける冷たい社会にしてしまっただけではありません。強い経済をつくるといううたい文句とは反対に、日本経済をもろく弱い経済にしてしまいました。 第1に、賃金が上がらない国になってしまいました。1人当たりの実質賃金は、ピークだった1997年から2020年までに何と64万円も減りました。OECD加盟の22か国で、日本の賃金の伸びは世界最低なのです。 第2は、成長できない国になってしまいました。OECDによると、この7年間、2013年から2020年までの名目GDPの伸びは、アメリカ25%、ユーロ圏14%に対し、日本は僅か6%です。日本は、世界で最も成長できない国になってしまっているのです。 第3は、競争力の弱い国になってしまいました。スイスのシンクタンクIMDが発表している各国の競争力ランキングで日本は1990年代初めの世界1位から、直近では31位まで落ち込んでいます。 東京大学の本田由紀教授は、戦後から1960年代の高度経済成長で奇跡的な発展を成し遂げ、1970年代半ばから1990年代頃までの安定成長期はジャパン・イズ・ナンバーワンと言われ、世界の企業の時価総額ランキングトップ50社を見ると、1989年には日本企業が32社を占めていたものが、2019年時点ではトヨタ1社だけに凋落、もうすごくない日本経済と評価し、この現実を受け止める必要があると強調しました。 なぜこうなってしまったのか、その要因について本田先生は、第1に国内産業の構成の大きな変化、第2に非正規雇用の拡大、そして第3に、経済界に広がった変革への積極性や柔軟性を失って沈滞した考え方や行動様式と指摘しています。 こうした日本経済の中で、十勝・帯広の地域経済はどうなっているのでしょうか。新自由主義は、この30年でもろく弱い日本経済、もうすごくない日本経済にしてしまったと言いました。 帯広市は、市民経済計算年報で、市内総生産を毎年公表していました。1990年の市内総生産は5,116億円、この統計資料は2007年を最後に作成されておりません。この最後の2007年は5,376億円と105%でした。現在の市内総生産は幾らになっているのでしょうか。 基幹産業の農業では、農協取扱高は約2,200億円から3,500億円へと159%、給与所得は1,387億円から2,047億円と148%、納税義務者も増えていますから1人当たりの給与所得金額は259万円から312万円へと121%、基幹産業の農業産出額は3,500億円超、その波及効果で3兆円の効果が給与所得の増加とも結びついています。道内税務署の納税額でも、札幌の5つの税務署に食い込んでいるのは帯広税務署だけという側面。十勝は、札幌圏以外では最も人口減少率が低く、釧路市と人口が逆転したことなど、変化を感じます。 もろく弱い日本経済と十勝・帯広の地域経済についてのこれまでと今、そしてこれからについて伺い、1問目といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 おはようございます。 稲葉議員の御質問中、地域経済についてお答えします。 我が国の経済は、デフレの長期化や雇用情勢の悪化、感染症の流行、原油の高騰など厳しい状況にあり、十勝・帯広の地域経済も、その影響の中にあると認識しております。 地域経済の持続的な発展に向けては、地域の優位性や魅力を最大限に生かして産業の振興を図ることで、雇用の確保、拡大や市民所得の向上につなげていく必要があります。 十勝・帯広では、これまでフードバレーとかちを旗印に、農業関連施設の整備や創業、起業支援、アウトドア観光の振興などを進めてきており、農協取扱高や新設会社数の増加、有効求人倍率の上昇などにも結びついてきているところです。 また、昨今の感染拡大に伴い社会が変化する中で、健康で安らぎのある生活のもととなる食や自然などの価値が改めて見直されており、首都圏企業等からの十勝・帯広におけるビジネス創出に向けた期待や関心が高まってきていると感じております。 新たな試みとして、日本航空の電子商取引サイトにおけるフードバレーとかちの特設ページの開設や、JALUXと地域事業者による販路拡大に向けた戦略的ビジネスの提携、首都圏の十勝ファンの視点を生かした商品開発など、地元事業者のビジネスチャンス創出に向けた取組みを進めております。 今後も感染拡大の防止や事業の継続支援はもとより、地元事業者の新たな挑戦を後押ししながら、経済活動の回復、活性化を図り、活力があり、持続的に発展する地域社会の実現につなげていく必要があると考えております。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 下野一人市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 抗議文の内容と送付の部分についてお答えいたします。 今般のロシアによるウクライナへの侵略は、核兵器の使用も示唆されており、核兵器や戦争のない世界の実現に向けた多くの人々の願いに逆行し、世界の平和と安全を脅かすものと認識しております。 帯広市といたしましては、こうした行為に厳重に抗議するとともに、侵略行為を直ちに中止し、一日も早い平和的解決を求める文書を送付したところであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 御質問中、初めに新型コロナウイルス感染症の現状認識についてお答えいたします。 デルタ株とは特性が異なり、重症化リスクは低いものの、感染力の高いオミクロン株の蔓延により、十勝においても、保育所、学校に通う子供から家庭内への感染、病院や高齢者施設などでの集団感染の発生へとつながっているものと認識しております。また、オミクロン株は、症状が出にくく感染に気づきにくいことも感染拡大の一因であり、新規感染者数の発生が高止まりしていると考えてございます。 一方、北海道では、昨年夏のデルタ株の感染拡大状況を受け、国の指示の下に、昨年の11月に保健・医療提供体制確保計画を策定し、保健所機能の強化を図るとともに、病床確保や検査体制の拡充など感染拡大時の対応について、段階的に整備強化を行ってきております。 国では、オミクロン株感染拡大に伴う医療の逼迫を回避するため、都道府県の判断により、重症化リスクの少ない陽性者の自宅療養も可能にするなどの通知がされているところであります。 オミクロン株の感染者は、無症状や軽い症状の方が多いことから、他地域同様、十勝管内においても感染者の状態に留意しながら自宅療養を取り入れているものの、継続した感染者の発生から、病床使用率や自宅療養者数が高止まりしている状況にあると認識しております。 次に、経験を生かした対策についてでありますが、市といたしましては、ワクチン接種において国の対応が頻繁に変更となる中でも、医師会をはじめ関係機関と頻繁に連携、協議を重ね、柔軟に見直しや改善を行いながら、希望する市民への早期の接種を実現するための体制を構築して進めてきており、その知見を生かし、3回目接種も早期に前倒しを行いながら進めているところであります。 検査体制につきましては、道において昨年末より、無症状で感染に不安を感じる方を対象とした無料検査を開始し、十勝管内でも薬局を中心に実施場所が増加してきております。加えて、症状のある方には、外来診療前の医療機関での検査キット配布事業なども行い、検査体制の拡充を行っております。 また、新型コロナウイルス対応と地域の通常医療体制を維持していくため、新型コロナウイルス感染拡大当初より、市も参加した保健所や医師会、医療機関による会議が重ねられており、救急医療の体制維持、確保のための対応が行われております。 以上であります。 ○有城正憲議長 関口俊彦政策推進部長。 ◎関口俊彦政策推進部長 御質問中、感染症の影響を受けた市民や中小企業への支援の状況についてお答えいたします。 帯広市には、今年の1月末までに約2万2,000件の相談が寄せられております。市民や事業者のお話を伺いながら、対象となる支援制度の紹介や、その利用を進めてまいりました。 市税や保険料、水道料金などは全体で約2,100件、約4億4,000万円の徴収猶予、減免を行っておりますほか、緊急小口資金と総合支援資金は、申請期間の延長などから申請件数が伸びておりまして、15億円を超える金額が貸付けされております。 また、灯油購入の助成は、約5,800世帯のうち約3,000世帯への給付を終えておりますほか、住民税非課税等世帯への臨時特別給付金も、家計急変世帯を含め約2万5,000世帯のうち、8割を超える世帯で手続が完了いたしております。 また、雇用調整助成金は、特例期間が延長されたことに伴い、市独自の手続支援やかさ上げ支援共に、引き続き利用されている状況にあります。 以上でございます。
    ○有城正憲議長 相澤充経済部長。 ◎相澤充経済部長 御質問中、地域経済の現状についてお答えをいたします。 日本銀行帯広事務所によりますと、新型コロナウイルス感染症の影響から個人消費や観光需要の減少、雇用情勢の弱さなど、地域経済は厳しい状況にございます。先行きにつきましても、感染症による経済活動全般への影響などに注視が必要とされております。 以上です。 ○有城正憲議長 稲葉典昭議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) ロシアのウクライナヘの侵略でございますが、女性や子供など非戦闘員の犠牲が広がり、稼働している原発への攻撃など、常軌を逸した事態が続いております。国連で141か国が賛成したロシア非難決議が採択されるなど、世界中でロシアの無条件撤退を求める声が広がり、力による現状変更させない、こうした国際世論で追い詰めることが必要だと思っております。 オミクロン株の感染拡大の特徴について、るる答弁をいただきました。新型コロナウイルスのオミクロン株の感染急拡大で、1日の死者が過去最大となるなど、深刻な事態が続いております。 昭和大学の二木教授は、検査数が少なく、検査を受けた人の陽性率が約4割と相当高くなっており、感染が落ち着いたとは到底言えないと述べております。2月の十勝の感染者数3,650人で陽性率40%、1月744人で陽性率17%、8月600人で陽性率9.8%、5月426人で7.7%となっています。 デルタ株とは、特性が異なるという認識がありながら、デルタ株を想定した計画に基づいた感染対策が行われている。いかにも成り行き任せと言われても、仕方がないのではないかと思います。 北海道への適切な計画変更を申入れはしていないのでしょうか。また、感染力が高いオミクロン株と言いながら、無症状の感染者をピックアップする唯一の手段である検査が遅れているのは、なぜなのか。 新型コロナウイルスの感染拡大では、第1波から第6波まで全部、新型コロナウイルスの種類が違っていると言われています。種類が異なっているにもかかわらず、しかも、感染拡大が進むほど、陽性率は高くなる。必要な検査ができていない状況になっているのは、なぜなのか、お聞きをいたします。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 国においては、検査体制の拡充を行うということで計画も作成しているところでありますが、無症状者に対する検査拡充までの考え方は持っておらず、今に至っているものと認識しております。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 無症状者に対する方針を持っていないことが、大きな原因だと私も思います。 基本的感染対策、3密を避けるようにしても、このオミクロン株は多くの感染者を出しています。海外では、学校に行く前に検査をして、陰性なら登校するという対策を取っている国もあります。 熱の出ない無症状の感染者は、陰性の人と見分けがつかず、防護の固い病院でクラスターが起きる要因の一つが、ここにあると思います。 検査をしなければ、ウイルスを持って学校や保育園に持っていってしまうし、学校、保育園から家庭に持ち帰ってしまいます。北海道でも変異型ウイルスBA.2、ステルスオミクロンが検出され、これまでと全く別物とも言われており、感染拡大を防ぐには、検査で無症状の陽性者をピックアップ、保護する以外にないと思いますが、他の方法があるなら教えていただきたいと思います。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 国の方針に基づき検査体制も、市においても充実をさせてきているところでありますが、無症状者の検査に対する重要性は認識しているところであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 問題は、それをどう実行していくかということだと思っています。 オミクロン株との違いについて、子供の感染拡大ということも言われております。 厚労省の発表では、認可保育所や認定こども園の全面休園は4週連続で700か所を超える高止まり、全国の新規感染者数の推移と連動していると評価もしています。 保育施設におけるデルタ株とオミクロン株の感染状況はどうなっているでしょうか。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 市内の認可保育園等の新型コロナウイルス感染症の影響による臨時休園の状況についてお答えしたいと思います。 デルタ株という部分では、令和3年12月以前でお答えしたいと思うんですけれども、一部クラス閉鎖を含め臨時休園を実施いたしました施設は全部で18施設、これらに関連する陽性者数は58名となってございます。 令和4年1月以降になりますと、3月7日現在で、一部クラス閉鎖を含めまして臨時休園を実施した施設は52施設、関連する陽性者数は261名となっております。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 12月以前の2年間で58人の感染者ですね、1月以降3月7日までで52施設、261人と急拡大していることが、数を聞いても分かります。 小・中学校の現状はどうなっているでしょうか。 ○有城正憲議長 広瀬容孝学校教育部長。 ◎広瀬容孝学校教育部長 最初に学級閉鎖を行った令和2年9月から令和3年12月までの臨時休業を実施した学校数は14校、このうち学級閉鎖数は21学級、学年閉鎖は2学年、学校閉鎖は3校、これらに関係する陽性者数は40名でありました。 また、今年1月以降3月7日現在までで、臨時休業を実施した学校数は33校、学級閉鎖数は176学級、学年閉鎖数は6学年、学校閉鎖数は5校、これらに関係する陽性者数は314名となっております。 以上です。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 小・中学校も、2年間で学級閉鎖が21学級で、感染者40人から、今年に入って3月7日までで176学級の陽性者314人と、激増しているわけです。しかも、これは最初に発見された人だけですよね、そこから広がった人は入っていないということですから、まだ増えている可能性があるということだと思います。 保育所は、原則開所。学校は、感染者が出ても学級閉鎖で終わりとなっていて、いずれの場合もPCR検査をしていないため、陽性か陰性かの判断がつかないことから、感染拡大が起こっていると感じています。 11歳までのワクチン接種の拡大だけで、これらは制御できるのでしょうか。ステルスの変異株が目前に迫っており、どのように対処するのか、お聞きをいたします。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 市の責任におきましては、ワクチン接種をこれまでも進めてきているところでありますが、今後も3回目接種に向けては前倒しで進めているところでございます。 検査体制につきましては、その重要性は認識しておりますので、今後、国や道の方針を注視しつつ、検査対象者の拡充や医療機関以外の様々な場所での検査体制の拡充について、国や道に要望してまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) ワクチンはスタートしましたから、スムーズに進めるということと、問題はその検査ですよね、今おっしゃったように、単独ではできないわけですから、どう情報を共有して進めるかということだと思います。 東京大学の佐藤先生ですけども、このステルスオミクロンの特徴について、感染力がオミクロン株の1.4倍で、オミクロン株より重症化しやすい可能性があると指摘もしています。東京都の40%という陽性率について、これはもう検査として全く成立していないと言っても過言ではないとして、検査で無症状感染者を保護できなければ、ステルスオミクロン株に置き換わり、このまま第7波に入っていく可能性についても言及しています。 第7波も視野に入れた感染防止拡大策が必要になってくると思いますが、この辺のところを視野に入れた保健所との協議は進んでいるんでしょうか。 ○有城正憲議長 五十嵐担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 感染状況に応じた医療体制の確保などについては、医療機関等と協議を重ねてきております。 今後の感染状況に応じて関係機関とも、今後も連携しながら対策を進めていきたいと考えております。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) この間、保健所が疫学調査を縮小してきているわけですけども、その結果、オミクロンBA.2の市中感染の実態がつかめないと、こうした報道もされております。 十勝・帯広の陽性率40%、この1週間ぐらいはちょっと下がっていますけれどもね、2月は平均で40%、高いときは50%近くになっていましたから、そういった状況の中で、検査として成立していないレベルと言えます。保健所機能がマックスの状態で、どうしたらいいのかということも考えていかなければなりません。 先行自治体の中で、世田谷モデルがあります。医師会の協力を得て、大量検査が可能な全自動計測器を導入して、1日4桁の検査数を確保しています。感染拡大が出ると深刻な影響が出ると言われている医療機関や高齢者介護、障害者施設、学校、保育園など、プール方式で時間とコストを抑える。保健所をこれ以上疲弊させることなく別ルートで検査を行い、陽性者には保健所が支援する。こういう体制をつくって実践しています。 こうした体制の構築も必要になっているのではないかと思いますが、この辺の協議はどうなっているんでしょうか。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 具体的に検査体制を拡充させるための協議につきましては、やはり国や道の指針に基づいて協議を行っているところで、今後、新たな株が拡大してくるという予測を見越しながら、国がきちっと計画を立て、都道府県に指示をすることが必要だと考えております。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉典昭議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) それがうまく機能していないから、各自治体で苦労しているわけですよね。 これは、世田谷モデルだけではなくて、亡くなった方が非常に増えた第6波ですけども、このときに死者ゼロに抑えた墨田モデルというのもございます。ここでも、自前の検査室を設けて1日1,200件の検査、墨田区は帯広とそんなに人口規模が変わりません。世田谷はかなり変わってきますけどもね。自治体の努力がここにもあるわけですね。 検査数の少なさと同じぐらい心配なのが、自宅療養という名の自宅放置。病気を治すために治療して心身を休ませると、これが療養の定義ですよね。自宅でできるのはせいぜい養生、静養、この程度のことです。 十勝管内の2月末の現在患者数が1,315人、そのうち入院が89人で6.8%、宿泊療養が29人で2.2%、各戸つきの自宅療養892人、同じく療養施設でない施設療養が300人、療養施設以外に1,192人で90.6%なんですね、入院を希望しても簡単に入院もできない。 札幌で契約しているコンビニから、段ボール3箱の保存食などが送られてくると。疾患やアレルギーで食べられないものがあっても、あるいは乳幼児がいても、中身は変わらないと。発熱しても薬もないし、熱取りシートもなく、買物に行くこともできない。そうした不安な日々を過ごしている患者が随分いらっしゃいます。現状では、このことを、保健所に対応を求めるのは厳しい、無理だと思っております。 先ほど紹介した墨田区ですけども、自宅療養支援拠点というのを庁舎内につくって、応援職員60人、兼務も含め170人体制で健康観察や在宅支援を行っていると。さらに、医師会などと協力してオンライン診療、訪問診療を組み合わせた往診体制の強化、自宅に薬を届ける自宅療養支援薬局も33か所あるそうです。 こうした体制を展望しながら、まず自宅療養の市民の患者をサポートするサポートセンターの設置から行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 自宅療養者におきましては、感染者及びその家庭においては、症状が軽かったとしても、初めてのことで分からないことが多く、不安になる場合が多いと認識しております。 健康観察だけでなく、個々の状況に応じた丁寧な対応が必要になると考えており、市といたしましては、保健所への職員派遣や、市の相談窓口での対応など行ってきております。 今後も保健所と連携しながら、少しでも不安が解消できるような取組みを継続してまいります。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) もう少し具体的に言いますと、まずは兼務でも職員を配置して、健康推進課の電話で相談乗りますよと広く市民に知らせてね、自宅療養者の不安や要望に応える。まずはそういったところからスタートさせて、少しずつできることを広げていくことも必要ではないかと思いますが、どうでしょうか。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 保健所が、感染者と最初に連絡を取ることになっているので、自宅療養者となった市民に対しまして、市の健康推進課においても相談対応を行っている旨を保健所から伝えていただき、相談を受けながら、不安の解消に努めてまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) ぜひ具体的に、すぐやっていただきたいと思います。 墨田区の往診体制は目指すべき姿で、ぜひ検証もしていただきたいと思いますけども、できることからということでは、医療機関とヘルスウオッチでつないで、体温、血圧、心拍数、血中酸素濃度などを医療機関と共有して、患者の容体変化を察知することに役立てている自治体もあります。 警察庁のまとめで、救急搬送されずに、必要な医療の提供を受けることなく亡くなるというケースが、今年1月までで1,107人となっています。自宅療養が増えるに伴い、救急搬送困難事案も増え、全国では1週間5,000件から6,000件と、高止まりという報道もあります。 十勝の広域消防の救急搬送困難事案ですけども、昨年、一昨年は1月、2月の平均が6.5件なんですよ。これが今年の1月、2月は36件、一気に増えています。だからこそ、市民の中に不安が広がっている。 こうした不安に応えるため、ヘルスウオッチで在宅と医療機関をつなぐ方式は、限りある医療資源の活用方法として有効だと思いますが、どうでしょう。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 現状におきましては、できる限りの体制について考えているところであると思います。 例えば、往診、それからオンライン診療につきましても、拡充させる方向で検討がされております。また、薬局が自宅に薬を届けることにつきましても、薬剤師会の協力を得ながら拡充をさせているところでございます。 ヘルスウオッチの考え方につきましては、保健所にも情報提供しながら、調査研究してまいりたいと思います。 以上であります。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 何せ、在宅療養者が800人以上いらっしゃるわけですから、なかなか行き届かないこともあります。 そして、このヘルスウオッチの活用ですけども、緊急通報システムと連動させ、高齢独居者の見守りシステムとして、孤独死をなくす手段としても有効活用できるのではないかと思っております。高齢者福祉とも連携して、検討をお願いしたいと思います。 在宅患者の支援をするために、保健所が持っている情報の共有が必要です。保健所を持っていない自治体でも、情報の共有がやられております。 全国知事会も、個人情報の取扱いについて、災害対策基本法における要配慮者の名簿の提供を求めております。同時に、大規模災害における自宅療養者の避難対策と避難所の感染症対策を行う上でも必要であり、この情報共有を求めるべきだと思います。ぜひ、これは具体的に進めていただきたいと思っております。 まん延防止等重点措置が再々延長され、21日までということになりました。見通しの甘さと不十分な対応から、いつも延長になっております。蔓延防止対策が飲食店に偏り、必ずしも機能しているのか、専門家などの指摘もあります。支援も飲食店中心で、取引業者や関連業者、その他の営業が逼迫している事業者に支援の手が届いていません。 融資を見ても昨年100億円で、今年度28件、セーフティネット保証認定ですが、2020年度2,620件で、2021年度は68件となっており、長引くコロナ禍に対応できる制度となっていないのではないでしょうか。 昨年、実態調査も行っておりますが、支援についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 相澤経済部長。 ◎相澤充経済部長 ただいまお話にございましたとおり、昨年来、事業者の方を回らせていただいて、いろいろ聞き取りを行ってきてございます。 また、これからの支援でございますけれども、業界団体ですとか関係経済団体等にもお話を伺ってきている中で、私ども何がこの先必要になってくるかということ、ただいま国の支援の後押しですとか、それから資金的な手だてということはやってきているわけでありますけれども、事業者の方々に、今何がより必要かというところは、今後、そうした関係の方々に私どもには産業振興会議という場がございますんで、そういったところでも意見を伺いながら、引き続き関係機関、団体と連携して対応していきたいなと考えてございます。 以上です。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 倒産件数は減少傾向とも言われておりますけども、廃業件数は高止まりですね。息切れ廃業だとかあきらめ型休廃業の増加への支援策が必要だと思っています。 部長も血圧が高そうなので、これ以上は言いませんけども、経営全般に関わるトータルな相談に乗れる窓口だとか融資の条件変更など、すぐできることから手をつけていってもらいたいということを要望しておきたいと思います。 暮らしの支援、これも待ったなしです。今年に入って申請が始まった住民税非課税世帯等臨時特別給付金が、8割を超えて給付手続されているという答弁もありました。家計急変世帯の申請状況は、昨日の質疑の中で101件と答弁がありました。予算5,000件ですから、2%の到達となっています。 住民税非課税世帯の申請書は、ほとんど書くところがない、申請しやすいとなっていますけども、家計急変世帯の申請書は難しいです。知識がなければ、書くことができないと感じました。 9月までが期限ですので、分かりやすい説明を再度行う必要があると思いますが、どうでしょうか。 ○有城正憲議長 下野市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 ただいまの申請等の周知につきましては、これまでも新聞やフリーペーパーなどの広告や広報おびひろ、市のホームページなどで書き方等周知をしてきております。社会福祉協議会や自立相談支援センターなどにも申請書を置いておりますことから、そういった部分での説明をするなど、今後につきましても、様々な関係機関と連携しながら、引き続き周知等に努めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 先ほども言いましたように、問題は2つあるんですよ。家計急変に自分が該当するかどうか判断をつけにくいのが1つです。それから、申請書類が難しいです、あの申請書類は。国のものだからあれですけども、9月まで期間があるわけですから、この2つの問題に対応するんで、今おっしゃったようなシステム、仕組みをぜひつくり、相談窓口も設置していただければと思っております。 それから、灯油購入助成の申請状況が5割強となっていますが、これ申請が遅れている要因はどういうふうに判断しているんでしょうか。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 補助に対しての申請手続が煩雑なことと、あと申請時期の2月中旬の降雪によりまして滑りやすく、歩きにくくなったことから、必要なコピーがしにくくなったことなど、様々な要因が重なって給付数の低さにつながっていると捉えております。 また、灯油以外の暖房も使用している方などもいることから、対象世帯の把握が難しい部分もあったことから、そういったことから給付率が伸びていないとも捉えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 難しいんです、結局ね。 この灯油助成の対象者は、先ほどの住民税非課税世帯等臨時特別給付金と、かなりダブっているんですよ。しかし、申請書は大きく違うとなっています。だから、なぜ同じようにできなかったのかというのが出てくるわけなんですよね、これは今後のこととなりますけどもね。 それから、対象者となる要件も世帯要件のほかに、住民税非課税かつ所得要件の2つの要件をつけているんです。世帯要件プラス所得要件、これだけでいいんじゃないか。なぜ、住民税非課税をここにつける必要があるのか、こういう問題点があります。 そのことによって、結局矛盾が起きているんですよ。世帯要件の中に障害児者のいる世帯、独り親世帯とあるんです。 御承知のように、住民税非課税要件の中には特別枠というのがあるわけなんですよ。それは、障害者がいたり、それから独り親世帯には、135万円以下は非課税という特別枠があるんです。ところが、この要件の中では、80万円という所得要件つけているわけだから、なぜ障害者だとか独り親に住民税非課税の特別枠をつけたかという、制度設計をそもそもここで壊しているんですよ。そういうことをなぜしなきゃいけないのかという、ここが混乱を起こす要因にもなっていると思っています。 これは、今さら変えることはできないわけですが、どなたに送ったかということは既に分かっているわけですから、これらの半分近くが未申請ということを考えると、制度そのものをきちっと進めるためには、この未申請の人たちに助成制度の趣旨を行き渡らせ、申請してもらうためのことが必要じゃないかと思うわけですが、どうでしょう。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 今後、未申請の方に向けまして、新聞等の報道で働きかけするなど、さらに周知徹底を図ってまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) これは今月末ですから、もう日にちがない。だから、いろいろ分かんないところがあったりとか、それから足元が悪くてコンビニへコピー取りに行けないだとかいうことがあれば、まず申請書だけ送ってくださいと、そうすれば申請行為が完成するわけですから、それで足りないものは、少し時間がずれてもいいですよということなんかも、やっぱりアナウンスしていく必要があるんじゃないかと思います。 こうした支援制度は、生活困窮者の生活を助けているのは間違いないことだと思っています。しかし、生活そのものを支えることはできません。新型コロナウイルスで収入が減少した世帯に貸し出す制度として、緊急小口資金や総合支援資金、住居確保給付金というものもあります。 いずれも一時的な支援制度ですから、2020年度の緊急小口資金の利用が1,302件、そして2021年度は482件ですよ。住居確保給付金の申請は、2020年度174件に対して2021年度38件。総合支援資金は、これ2回使えますから、2020年度、2021年度ほぼ同数となっています。 そうすると、最後のセーフティネットは生活保護となりますから、この生活保護制度の相談と申請状況についてお聞きをいたします。 ○有城正憲議長 下野市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 生活保護の今年度の相談状況につきましては、月単位での比較では、4月以降全ての月で、昨年度の同じ月を上回っているところでございます。 また、申請件数になりますが、10月以降は、例年とほぼ同じ状況でありますが、2月までの累計で行きますと、相談件数、申請件数ともに、昨年度より2割程度増加している状況となってございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 稲葉議員。 ◆27番(稲葉典昭議員) 2020年度を見ますと、前年度より相談が多かった月は2回だけなんですよね。これは先ほど申し上げたように、いろんな制度がございましたから、それをまず活用するということだったと思うんです。 2021年度になって1月まで、全ての月で相談件数は上回っているんですよね。初年度の支援が1回しか使えないわけだから、それだけ長くなってきているということだろうと思っています。 その際、相談者の申請が半分以下になっているわけですから、申請に至らない相談者の生活支援が具体的にどのようになされているのか、それからそうした体制はあるのか、それから申請ではネックとなっていた扶養照会はどう合意されているのか、あるいは生活保護開始後のケースワーキングが適切にやられているのか。これは定数の問題も議論をしてきました。課題は山積です。これを全部今議論はできませんから、別の機会に、これは議論させていただきたいと思っております。 ちょっと時間も押してきましたんで、コロナ後の地域経済ということで話を進めたいと思います。 コロナ禍の地域経済ですが、感染状況に左右されることが明らかになっており、景気の回復は、新型コロナウイルスの収束が絶対条件となります。つまり、最大の景気対策は感染拡大防止となります。答弁でも、感染拡大の防止や事業の継続支援はもとより、地元事業者の新たな挑戦を後押しながら、経済活動の回復、活性化を図り、誰もが安心して暮らせる地域社会の実現につなげていくということでございました。 新自由主義の弊害、もろく弱い経済、先進国で唯一賃金が上がらない国ということも申し上げました。 3月2日に開かれた政府の経済財政諮問会議の報告を見ますと、1994年と2019年を比較して、世帯所得の中央値が35歳から44歳、この10歳の中で104万円減少、45歳から54歳では184万円も減少していると。それから、25歳から34歳、この若い世代の特に単身世帯、非正規雇用の割合が高く、200万円台という所得ですね、この割合が多い、そして上昇しているという報告があったようです。 また、日本生産性本部が発表した労働生産性の国際比較2021というのもありますが、1人当たりの労働生産性は、OECD加盟38か国中、韓国より低い28位、平均賃金は22位で、G7では断トツの最下位。 厚生労働省も、この間、国民生活基礎調査を発表しておりますが、所得の分布を見ますと、300万円未満の世帯が最も多くて26.2%、400万円未満だと39%になります。平均所得金額以下の世帯の割合は61%と、過半数を超えています。富裕層、超富裕層の世帯が増え、格差と貧困が激化しているということが、こうした資料でも分かります。 もう一つ、内閣府が出したミニ経済白書、先日出ていますが、2021年から2022年版ですけども、所得500万円未満の世帯では子供を持つ比率も大きく低下しているという分析が改めて出されています。所得400万円から499万円で子供のいる世帯が2019年に9.8%ですが、5年前の2014年には13.2%いた。これで4ポイント落ちている。300万円から399万円では、2014年は10.4%だったものが5.2%に半減しているという状況があります。 帯広市の税務統計を見ますと、給与収入300万円以下が39.6%、300万円から500万円が34.7%となっており、子供を持ちやすい世帯所得の500万円を超えるためには、共働きで働きやすい環境を提供するということが鍵だろうと思います。 日本経済が1990年代以降に勢いを失った理由について、先ほど紹介した東京大学の内田教授は、第1に国内産業構成の大きな変化、効率が悪く、賃金が総体的に低いサービス業が国内経済において拡大している。第2は非正規雇用の拡大。第3は変革への積極性や柔軟性を失った行動様式が経済界を中心に広がっているという指摘をし、働き方の世界標準から見た異様さについて、長時間労働と非正規雇用の賃金の低さという、後発国的な特徴を引きずっているという分析をしています。もう一つ、この世界標準から見て、働くことに対する積極性や熱意、エンゲージメントと言っていますが、これが共にとても低い、仕事への満足度が低いと指摘。その理由について、職場での自立性、自由のなさを上げている。 これからも次々と現れるであろう新型コロナウイルスのような感染症ですが、働き方にも影響を及ぼしていくと思います。気候変動や環境破壊などの地球全体を巻き込んで生じている危機により、経済成長や競争力、生産性を最重視するような経済の在り方も変わっていく。そうだからこそ、個人としての誇りと主張、確実なスキルを持った働き手が増えていく必要があると思います。 コロナ後のまちづくり、地域経済の土台を、地域循環型でしっかりと固め、世界標準から見て異様な長時間、低賃金を是正し、誇りとスキルを持った働き手を増やしていく。答弁でも、地域経済を持続的に発展させるためには、雇用の確保、拡大や市民所得の向上と述べており、1,600時間程度働き、夫婦で500、600万円の所得、共働きを支える住宅や保育など、若者世帯の需要に応えるまちづくりを進める。日本の食料とエネルギーの自給向上を担っている。こうした誇りが若者の定着につながるのではないでしょうか。 自然の春は太陽が呼び、社会の春は人間が創るとも言います。市長は、この社会の春についてどのように考えるのか伺って、最後の質問といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長。 ◎米沢則寿市長 楽しくやりがいのある仕事、チャレンジできる環境、安心して結婚、子育てができる環境など、一人ひとりが求めるもの、これは様々だと思いますが、近年は、自分らしく生き生きとした人生を送ること、これが重視されているように思います。 今の御質問、人々の春はどこにあるのかという御質問だと思いますけれども、私は、やはり夢、希望、可能性、そして様々な選択肢があるということが、若者の一人ひとりの幸せに向けた前向きな行動、さらには地域の活力につながっていくものだと認識しております。 仕事づくり、それから生活環境の整備、これまでフードバレーとかちなどの取組みを通しまして、それぞれの人が思い描く未来に向けた基盤づくりを進めてきたという認識でおりますけれども、この地域に対する期待感の高まりが、そういうところにも今反映しているんではないかなと思っております。 冬の間に力を蓄えた種が芽吹いて春を迎えて、それぞれの花を咲かせて、また実を結ぶと。その種が、また次の世代に受け継がれていくというように、まちづくりも同様ではないかなと思っています。 これまで積み重ねてきた取組み、これを土壌として、将来の発展に向けて、また新たな種をそこにまき続けていくということが重要ではないかなと考えておりまして、フードバレーとかちの新しいステージは、まさにそういうところにしっかりと視点を置いていかなければいけないと感じております。 以上です。 ○有城正憲議長 以上で稲葉典昭議員の発言は終わりました。 次に、鬼塚英喜議員から発言の通告があります。 7番鬼塚英喜議員、登壇願います。   〔7番鬼塚英喜議員・登壇・拍手〕 ◆7番(鬼塚英喜議員) 通告に従い、順次質問させていただきます。私からは、2点についてでございます。 1点目は、新型コロナウイルス感染症、第6波と言われておりますが、それを抑え込む対策という観点で、最初に新型コロナウイルス感染症の発生状況及び北海道と市の連携した対策について伺います。 今年1月から急拡大した新型コロナウイルス感染症の第6波は、いまだ収束が見えてこない現状において、北海道ではまん延防止等重点措置が今月21日まで延長されました。少しでも早く感染を収束させ、安心した市民生活の回復と経済の活発化に向けて、感染対策について伺います。 最初に、市が1月から今日まで感染状況を把握しながら、どのように感染拡大防止や自宅療養の対応を含めて、北海道と連携して感染対策を行ってきたのかを伺います。 2点目は、ポストコロナに向けた市の観光戦略について、まず最初に、近年の市の観光振興の現状と課題について伺います。 コロナ禍が3年目に入り、国内、道内、そして十勝管内の観光は非常に厳しい状態であります。お隣の町では、ホテルが2館ほど閉館になったり、厳しい状況が続いていると聞き及んでいます。 国は近年、観光は成長戦略の柱、地方創生の切り札と位置づけていますが、現状は、コロナ禍で観光振興は上向いておりません。実際に、観光振興における交流人口の拡大や地域内の消費を増やして、地域創生を実現しようとする自治体が数多く存在いたします。しかし、この感染症の波の中で観光業界は、国内の地域創生を生かした新しい観光スタイルを実践しても、なかなか先が見えてこないということも言われております。 本市も同様に、観光に影響はございます。観光入り込み数、宿泊数、空港利用数の減少、その反面、ポロシリのキャンプフィールドの利用数が増加したと聞いております。 そこで、改めてお聞きしますが、令和元年度からの帯広の観光の入り込み数、宿泊数、空港の利用者、あるいはポロシリの観光の利用度、アウトドア事業者等の活動とかアウトドア観光の推移から、観光動向に対する市の現在の認識について伺います。 以上、1回目の質問を終わらせていただきます。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 鬼塚議員の御質問中、新型コロナウイルス感染症対策についてお答えいたします。 オミクロン株の感染拡大に伴い、十勝においても、医療機関や福祉施設、学校等での集団感染が増加し、2月の感染者数がこれまでの最多となる3,650人に達し、病床使用率が40%を超えるなど、厳しい状況が続いていると認識しております。感染症への対応が長期化する中、改めて市民や行政、関係機関が危機感を共有し、一丸となって対策を進めることが重要であります。 帯広市では、これまで保健所や医師会、医療機関と連携し、感染状況に関する丁寧な情報提供や、機会を捉えた周知啓発などに努めてきたほか、3回目ワクチン接種の前倒しを進めてまいりました。また、保健所に市の職員を派遣し、自宅療養者などへの支援にも当たってきたところであります。 感染症を早期に収束させ、市民の皆さんが安心して日常生活を送ることができるよう、今後も国や北海道、関係機関等と連携して、全力で取り組んでいく必要があると考えております。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 礒野照弘経済部参事。 ◎礒野照弘経済部参事 御質問中、観光についてお答えします。 帯広市の観光入り込み客数は、令和2年度が140万5,500人で、令和元年度の281万7,400人の約50%、宿泊客数は、令和2年度が61万3,800人で、令和元年度の97万900人の約63%となっております。 とかち帯広空港の旅客数は、令和2年度が19万8,126人で、令和元年度の66万4,048人の約30%、スノーピーク十勝ポロシリキャンプフィールドの自主事業分を含む利用者数は、令和2年度が9,337人で、令和元年度の1万2,675人の約74%となっております。 コロナ禍により、観光入り込み客数や空港旅客数は大きく落ち込んでおりますが、令和2年度の宿泊客延べ数では、道内市町村のうち第3位と順位を上げ、温泉地など大規模な宿泊施設の集積を抱える自治体と比較しますと、減少幅は抑えられているものと認識しております。 また、令和2年度の観光入り込み客数は、緊急事態宣言が発出された時期は前年の4割以下となっておりますが、その他の時期は6割から約8割ほどになっており、各施設の徹底した感染防止対策の結果、感染者数が抑えられている時期の観光需要は回復基調にあるものと捉えております。 キャンプフィールドの利用者数の減少幅が比較的小さいことからも、感染リスクの低いアウトドアへの観光客の関心は高くなっており、今後ますます注目されていくものと捉えているところであります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 鬼塚英喜議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) 市長の御答弁、その他、ありがとうございました。 今回、私から新型コロナウイルス対策と観光振興ということで、少し現状を紹介しながらお話をさせていただきたいなと思います。 まず最初に、新型コロナウイルス感染症対策ということで、2回目の質問させていただきます。 今年1月から2月にかけて急拡大、先ほどの質問にもございましたが、それぞれ市の感染者数の週ごとの発生状況、あるいは入院、自宅療養者、宿泊療養、調整中というものが北海道のホームページから見てとれるんですけれども、それらの推移と感染拡大した主な原因ですね、市としての認識と、具体的にどういうふうな感染対策を行われたのか伺います。 ○有城正憲議長 五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 十勝管内の感染者は、1月30日から2月5日までの1週間では662人、2月20日から2月26日までの1週間では1,028人と、過去最大の感染者数となっております。 また、1月30日と2月26日で比較いたしますと、入院患者は49人から86人で37人の増、宿泊療養施設入所者は54人から31人で23人の減、自宅療養者は248人から847人で599人増えておりますが、調整中の方は111人から3人に減っております。 オミクロン株の感染では、軽症や無症状が多いため感染に気づきにくく、20歳以下の感染割合が高いこともあり、保育所、学校に通う子供から家庭内への感染や、病院や高齢者施設などでの集団感染の発生へとつながっている可能性があるものと考えております。 保健所とは、毎日感染者の状況など情報交換を行い、連携対応につきましても必要時協議しており、自宅療養者の健康観察などの支援のため保健師の派遣を行うほか、高齢者施設等でのクラスター発生時には現状把握や物資調達、サービス調整などを行うため、対策本部において、市の担当職員が保健所と連携して対応しております。 また、市の健康推進課では、自宅療養者などからの健康面での相談や問合せに随時対応し、希望者には物資配送事業者の紹介対応も行うこととしております。 道による疫学調査重点化以降は、感染の判断や検査に関わる市民や事業者からの問合せの窓口となり、不安解消に努めてきたところでございます。 さらに、保健所、医師会、医療機関による会議が随時行われており、医療状況を確認し、感染状況に応じた医療提供体制の確保が行われてきております。 以上であります。 ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) 分かりました。ありがとうございます。 新型コロナウイルス感染症のワクチンのことで、市民の方が困ったときに相談窓口に電話したそうです。そうしたら、非常に対応がよかったと、詳しく教えていただいたということで昨日お電話いただいて、大分御尽力されているんだなと思いました。 また、保健所の求人広告、メールで求人が出ていた。何かというと、私の知人が応募して、とにかく行ったんですが、実は感染者が出て、その数字を打ち込む、そして電話対応するということで、さらに職員を増強しているということです。帯広市も、先ほどありましたが応援をしているということなんですけども、保健所もかなり力を入れて対応しているんだということで御紹介をしたいと思うんですね。そういうことで非常に厳しい状況なんです。 御答弁のとおり、感染者の中には、最初軽症者が多いと言われていました。そして低年齢者、あるいは10歳以下というところが多いと思うんですけども、ただ、だんだん感染して日にちがたっていくと高齢者の方がまた感染をしていると。幅広い年齢層の中で感染が拡大しているというのが、今の現状だと思うんです。 場所も学校、家庭。前は、例えばどこどこの施設ということだったんですが、今は学校、家庭を中心に、病院あるいは施設ということで、連鎖的に拡大しているというのが御答弁でありましたけれども、それがやっぱり特性かなと思います。 重症あるいは感染防止の観点から、3回目の接種が始まっております。私もさせていただいて副反応が結構ありまして、熱が出たりしたんですけども、また5歳以上11歳以下の1回目接種も行われるということで、このワクチン接種って非常に重要なもんであります。 そこで、私は今回ワクチン接種の優先順位が社会生活や経済活動に非常に重要な位置にあるんじゃないかということで、こういう観点で少し質問させていただきたいと思っております。 国は昨年、高齢者にワクチンを最初に打ち始めました。高齢者、基礎的疾患のある方ということで優先順位を示して、接種を開始しました。今は3回目のワクチン接種が始まっていますが、市議会からも、エッセンシャルワーカーの接種をよろしくということで要望がありました。 しかし、この3回目の接種の順序というのは、1回目、2回目のワクチンの接種の順番になっているのが現状ではないんでしょうかね。いろいろ新たに打っていく、あるいは接種をするのが非常に厳しいものだと認識しています。よって、先ほどありました全てのエッセンシャルワーカーへの優先接種は、厳しい状態じゃないかと思います。 どのような職種の方々に接種をされたんでしょうか。 なお、このワクチン接種、あるいは治療薬が感染拡大防止のトリガーということで私も、いろいろ調べました。昨年、1回目の接種において、東京都は5月に高齢者、基礎疾患のある方に、そして次に警察、消防の方、社会を守る方の接種を行いました。しかし、国は検疫、税関や、あるいは防衛省などに関わる方の接種は、指定がありませんでした。 ワクチン接種の基本的な考え方はどうなっているんだろうと調べたところ、2021年2月9日に内閣官房から、新型コロナウイルス感染症に係るワクチン接種についてが公式発表されており、その中に、当面は確保するワクチン量に限界があってワクチンの供給も順次であるから、死亡者、重症化を減らすためリスクの高い方を優先して、医療従事者、高齢者、先ほどあった基礎疾患のある方ということでやる。 厚生委員会でもいろいろ質問したんですけども、根本的に、ワクチン接種の優先順位が、具体的でない環境で始まったんではないかと私は考えます。 過去の国会の答弁の中で、13年前に新型インフルエンザ、今の新型コロナウイルスの基本となった法律ですね、自衛官と国家公務員のワクチン接種が問題視されました。2009年10月27日、民主党政権時に自民党の高市議員が自衛官等の接種に対して、今後新型インフルエンザが深刻な事態になった場合、自衛官と医療従事者は、社会機能を維持するために出動を要請される可能性があり、優先的にワクチン接種を受けることが望ましいと質問しましたが、政府の回答は、インフルエンザワクチン接種事業において、死亡、重症化のおそれが高い人、そして直接従事する医療従事者を優先対象として、ワクチン供給が順次に行われることを勘案しながら、自衛官は優先的にワクチン接種を受けることが望ましい者に当たらないと回答されております。 でも、これは私の考え方なんですけども、安全保障懇話会の資料からいくと、昨年の1、2回のワクチン接種はこの法律の典型的な前例踏襲主義そのものではなかったのかなと考えます。 一方、世界的に見ますと、全米医学アカデミーというところがありますが、そこが米国の国立衛生研究所、NIDというところと、米国の疾病対策センター、よくCDCと言われているところなんですが、そこからの委託を受けて、2020年10月に新型コロナワクチンの配布に当たってWHOに提言している内容があるんです。そこは、明確にこのようなことをうたっています。 社会的、脆弱的指標のスコアが高い方々を優先として、ワクチン接種を決定する。簡単に言うと、グループホームとかに集まって生活している人や、感染しやすい環境で働いている人など、社会的な基準を考慮しながら、まず第1段階として、リスクの高いヘルスワーカー、バスの運転手、飲食、食料品の店員、社会を動かす上で必要不可欠な仕事を行うエッセンシャルワーカー。第2段階、ここでやっと65歳以上の高齢者が出てくる。保育士、学校の教師、学校職員、そして食品加工場などソーシャルディスタンスがなかなか取れない環境で働く労働者、ホームレスシェルターの居住者あるいは職員、刑務所や拘置所の収容者や職員。第3段階で子供、30歳未満の成人、その他のリスクの高いエッセンシャルワーカー。そして、第4段階でその他の国民とあります。 そういうのが提言されたんですけども、日本もそのCDCに指導を受けながらやったわけなんですけど、世界ではどうかというと、中国では医療従事者、警備員、税関のスタッフ、疾病予防管理センターのスタッフを優先的。また、台湾では医療従事者、税関、警察、人工透析患者、軍人です。同様に米国、ロシア、カナダ、主要な、韓国を含めて同じように高齢者、軍人と接種している。そういう現状の中で世界、そして日本の法律に基づいて接種を開始したんですけれども。 そこで伺いますけども、市のワクチンの優先順位に対する認識を改めて伺いたいと思います。あわせて、市内に居住する警察、消防、自衛隊などの優先接種に関して北海道とかですね、でも立場はちょっと違うんですけども、国に対して要望してはどうかと思いますが、御見解をお伺いします。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 1、2回目の接種につきましては、国の方針に従い、医療従事者等、高齢者施設等の入所者や従事者、65歳以上の一般高齢者、基礎疾患を持つ方への優先接種を行うほか、市独自で保育士、教職員、妊婦、障害を持つ子供さんの同居家族など、早期の接種に配慮を要する方への先行接種を8月までに行っております。 また、エッセンシャルワーカーのほかの職種につきましても、企業等において職域接種が行われ、市でも接種の前倒しを行いながら早期の接種に努めてまいりました。 3回目の接種につきましては、国が接種の前倒しを可能としたことを受けまして、市では速やかに前倒しの決定をしております。現在、2回接種を終了した全ての年齢や職種の方において、6か月経過した方から順に接種ができる体制を整えております。 なお、自衛隊職員の方は、職域接種において実施されるものと把握しております。 現時点での薬事承認では、3回目接種は、2回目接種後、最短で6か月経過以降であり、現状を超える対応は、市の判断だけではできませんが、国が3回目接種の加速化を図ろうとしている中で、全国知事会や国の今後の考え方などについて、状況を注視してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) ありがとうございます。 御答弁でありました自衛隊の職員の方が職域接種とありましたけど、ちなみにそれを少し御紹介したいんですけど、実は昨年、その自衛官の接種が市と同じような時期に開始をされたんですけども、実は道東にある駐屯地、釧路も鹿追も全部そうなんですけども、わざわざ札幌に行ってですよ、打って帰ってきているという現状だったんです。要するに、1日かけて行って、また打って帰ってくる。そうして終わったのが11月。そういう現状なんですよね。 もう一つ紹介したいのは、大規模接種会場が東京にありましたですね。東京に設置をされたこの大規模接種会場は、皆さん御存じだと思うんですけど、災害派遣ではないんです。通常の任務の中で行われたんです。医師は医官と言いますけど、これは80人。それから看護師、自衛隊では看護官と言うんです。これが200人なんですね。三宿に自衛隊中央病院があるんですけども、そこで対応できないんです。要するに、全国から医官が、あるいは看護官が交代しながら行って、その運営を行ったと。 結果的にどうかといいますと、本来は自衛隊の中で自立で、例えば、医官もいるし看護官ができるんで、ワクチンがあれば帯広でもできるんですね。ところが、派遣されて逐次交代していくということで、防衛省の正式見解じゃないんですけども、結果的に接種が遅れたということも言われています。これが実態なんですね。一応、そういうことを御紹介ということでしたんです。 実は、国のワクチン接種においては、具体的な優先順位がはっきり言ってなくて、帯広市も保育士さんとかいろいろ苦労されながら、その施設の方も含めて、自助努力の中で接種を行っているということなんですね。 帯広市ではそういうのを考えながら早期に帯広市の人は接種ができたと、非常にいいことだと思うんですけども、特に公務員はなかなか、警察の方も命令で動いているということありますけども、言えないところは、やはり御答弁でもありましたとおり全国知事会だとか北海道市長会の中で意見を合わせていただいて、ぜひ上のほうに要望することをお願いしたいなと思います。 さて、今回の新型コロナウイルスの感染者数は、10歳以下の子供が非常に感染率が高くなっています。統計資料によると、2月上旬の北海道の感染者、十勝においても10歳以下の発生率が全体の約17%。札幌や関東にいます私の身内家族の小学生や保育園の園児が感染しました。感染した保護者にとっては、とても不安で、事前に学校からマニュアルがあって、発生時の手続とか不安がなかったって聞いておりますけども、私の家の前の児童を持つ御家族からも、不安の声があります。 そこで伺いますが、市内の小学校における感染対策と、感染した児童の家庭とのコミュニケーションや連絡体制について、市の現況を伺います。 ○有城正憲議長 広瀬容孝学校教育部長。 ◎広瀬容孝学校教育部長 市内小学校におけます感染症対策につきましては、国の衛生管理マニュアルにおいて、変異株への基本的な感染予防対策として、3つの密の回避、マスクの適切な着用、小まめな換気、手洗い等などが推奨されていることを踏まえ、各学校に引き続き感染症対策の徹底を働きかけているところであります。 保健所におけます疫学調査の重点化に伴い、児童・生徒が陽性となった場合、保護者は学校に加えて、感染の可能性のある発症前後に会った方に連絡することになりましたが、この運用の変更に当たりましては、道教委からの依頼に基づき、各学校を通じて保護者への周知を行っております。 また、児童の保護者との連絡体制につきましては、保護者は、発熱などの風邪症状による欠席はもとより、児童本人や同居の家族が病院等でPCR等の検査を実施することが決まった段階から、必ず学校に連絡を入れてもらうようにお願いしているところであります。 学校は、保護者から検査結果の報告を受け次第、速やかに市教委から学校閉鎖等の措置についての指示を受け、保護者に対して安全メールで迅速に学級閉鎖の内容を周知し、家庭での健康観察をお願いする流れとなっているものでございます。 ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) 分かりました。道の処置する内容も見させていただきました。 私の家族のほうもやっぱり、札幌市のほうは、クラスごとに何か工夫しながらやっているように、それも見させていただきました。要は、やはり学校は全道的にしっかりと、そういう体制が取れているんだなというのを確認しました。 そこで、発生すると、親御さんというか保護者の方は、ちょっと不安視することがありますので、ぜひその辺のところは、コミュニケーションをよく取っていただいてスムーズに、特に保健所から感染ですねと連絡が来ると、あとはもう保護者の方がいろいろしなきゃなんないし、学校のほうもいろいろ処置をしなきゃなんないことがありますので、よろしくお願いいたします。 次に、昨年、新型コロナワクチンの接種に当たって、議会でも市長の情報発信の不足とも言われておりました。今も長引く新型コロナウイルス感染症から国民、市民が、精神的な負荷が積み重なり、あるいは市長や市行政ヘの不満や、信頼醸成に影響を与えているとも言われています。 北海道知事は毎週のように、新型コロナウイルス感染症対策含めて記者会見を行っておりますが、市長の記者会見はどのぐらい、どのような内容でされたんでしょうか。 また、改めてお聞きしますけども、市民に対する感染対策、ワクチン接種、その他仕事や学校での不安解消のため、どのようなことに留意しながら情報発信や市の考えを市民に伝えようとされているのか、伺います。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 令和3年度の市長記者会見は、3月7日時点で14回開催しており、その全てにおいて新型コロナウイルスに関わる情報を提供してきております。 会見におきましては、市のワクチン接種体制や、緊急事態宣言等に伴う市所管施設の対応状況などのほか、市民の皆さんへ感染症対策の徹底についても、併せて呼びかけを行い、感染対策に努めてきたものであります。 感染症などに関わる情報につきましては、感染症法等による市の権限や科学的知見の根拠に基づき、正確な情報を分かりやすく、適時に提供することが重要と考え、記者会見や市のホームページのほか、LINEなどを活用し、ワクチン接種や臨時特別給付金などについての情報提供を行っております。 以上であります。 ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) 分かりました。 市長の会見を毎回、楽しみというか、とても関心を持って見させていただいています。 それで、回数聞いたんですけど、回数よりも、私は思うんですけど、やはり緊要な時期、すなわち緊急、あるいは何かが変化するとか、そういうところにやはり市長の思い、あるいはこういうふうに市はするんだということを出されるのが、私はいいと思うんですね。 例えば、今回、緊急拡大したのは1月下旬だと思うんです。そのときに、内容的に何も固まっていなくても、今固まっていないがということも含めて、市民の方に何をするかというと、要は安心してください、ただ、感染対策を取ってくださいと言うけども、市長は常に生活における感染対策というのを非常に言われています。それも大事だと思うんですね。北海道知事の場合は自分で保健所持っているんで、それは当然言うことも多くなると思うんですけど、そういうところでリーダーシップをしっかりと発揮していただければ、いいのかなと思います。期待しております。 次に、医療体制の現状と市の取組みについて伺います。 2月感染拡大以降、市内の複数の医療機関では新型コロナウイルス感染が発生し、縮小した病院の機能を一部の病院が受入れ、また医療関係者の家族が感染し出勤できない状態もあり、医療従事者の不足もあると聞いています。そして、市内の医療機関は、そういう状況の中でも運営を行っていると聞いておりますが、市は市内の医療機関の現況をどのように把握しているのか、伺います。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 新型コロナウイルス対応と地域の通常医療体制を維持していくため、新型コロナウイルスの感染が確認された当初より、保健所、医師会や医療機関による会議が重ねられてきております。 長期化する新型コロナウイルス感染症対策の対応の中、厳しい医療体制の下、医師会や医療機関、医療従事者においては、市民の命を守るため、感染状況に沿って協議を重ね、医療提供体制の維持に取り組んでいただいているものと認識しております。 さらに、市内医療機関の複数のクラスター発生を受け、2月中旬以降は救急医療を担う医療機関等による病床確保状況などについて、毎日情報共有が行われ、救急対応の具体的な協議が行われていたものであり、感染者や濃厚接触者の増加に伴い、診療の制限などを随時行いながら相互に協力の上、体制を維持していただいているものと認識しております。 以上であります。 ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) 分かりました。 ある病院では入院病棟があるんですけれども、そういうところで、やはり閉鎖をして感染者を受入れなきゃならない。あるいは、そういう中で医療従事者が感染してしまったということで非常に、複数に絡み合いながら医療行為を行っているということで、もう本当に感謝するしかないもんだと思うんですね。 そこで、私がちょっと考えたんで、十勝には広域の医療圏があるんですけれども、そういう医療機関が非常に厳しい状況の中で、医師や看護師さんの応援体制というのがあるんでしょうか。それについてちょっと伺います。 ○有城正憲議長 五十嵐医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 3月21日までまん延防止等重点措置の期間延長となり、十勝管内及び道内の多くの地域で感染が収まっていない状況であることから、他の地域から医療従事者の応援要請を行うことは困難であると考えております。 医療従事者が不足した場合の対応につきましては、病院内で病棟や外来診療の縮小、不急手術の延期などを行いながら、診療を継続しているものと認識しております。 以上であります。 ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) よく把握されていると思うんですけども、市としては、やはりその医療機関をサポートするといっても、なかなかできないと思うんですよね。 全道規模で、医療機関で大きいところは、昨年辺りは医師とか看護師の派遣支援とかしていたみたいなんですけど、今はほぼできていないと。やはり今、十勝管内の中でも、あるいはこの帯広市の中で、それをやりくりしていかなきゃなんないという現状だと思いますので、ぜひそれを、市としては把握という形でしか取れないということは、十分承知していると思いますが、その辺のところする。一番苦労されているのは医師であり、一人の看護師さんの負担が非常に多くなっているということだけを言わせていただきます。 そこで、この質問最後の所見なんですけども、先ほどありましたワクチン接種なんですけども、今現在、日本あるいは市が行っている優先順位のほかに、第4回目があるかどうか分かりませんけども、ぜひ、市長はじめ自治体の職員の方、そして先ほど言った国家公務員や社会生活に欠かせないような職域でやられている方を優先対象にしていただきまして、もしかすると、4回目が夏以降にまた来るかも分かりませんけども、その辺にも準備をよろしくお願いします。また、議長ですね、全国市議会議長会基地協議会北海道部会の会長になられていると思いますので、ぜひその辺のことをお願いしたいと思います。 次は、観光に関する御質問させていただきます。 2回目の質問で、今後、十勝・帯広の観光戦略とDMOの活性化について伺います。 十勝では令和3年3月、経産局と北海道、十勝の市町村とで、十勝アウトドア観光推進プランというのを策定しました。市では、ポロシリ地域を活用して、アウトドア観光戦略を基軸としておられますが、今後はポストコロナに向けて新しい旅のスタイルなどを踏まえ、登録DMOを基軸とした幅広い観点で、多様な関係者と関わりながら観光を深化させることは必要と考えておりますが、市の今後の観光戦略と登録DMOの活性化について、具体的な考えを伺います。 ○有城正憲議長 礒野経済部参事。 ◎礒野照弘経済部参事 令和3年度はプランに基づき、十勝の雄大な自然や景観などの魅力発信を通じたアウトドア観光推進のため、十勝管内の各市町村と連携したホビードローンの特設サイトの開設や、観光庁の登録DMOであるデスティネーション十勝と連携し、管内アウトドア関係事業者や公共交通関係利用者へのアンケート調査を行い、現状把握と分析を行っているところであります。 デスティネーション十勝では、凍った湖を水風呂とする屋外サウナのアヴァントや冬のビジネスキャンププランの販売を開始したほか、十勝のアウトドアとワーケーションを組み合わせた取組みが、地域事業者との連携や今後の可能性を評価され、北海道観光振興機構のワーケーション推進事業部門の最優秀賞に選ばれるなど、外部からの評価が得られてきたところであります。 今後は、マーケティングに基づく地域観光動向の分析や訴求力の高い情報発信を行うとともに、自然環境を生かしたフィッシングやサイクリングなど関連事業者との連携の幅を広げつつ、体験価値の高いコンテンツの開発の強化と販路の拡大を図っていくと伺っております。 帯広市としましては、アウトドア観光が、ポストコロナにおいてより求められる分野であるものと認識しており、これまで着実に進めてきた取組みに、日高山脈襟裳国定公園の国立公園化やトカプチ400のナショナルサイクルルート指定など、外からの評価を追い風に、アウトドアを核とした観光をさらに推進していくことが重要と考えております。 以上でございます。
    ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) 分かりました。ちょっと違う観点でお話をさせていただきたいと思います。 令和2年に、帯広市のほうでは十勝アウトドア観光推進マスタープランというのを策定されております。その中身、結構内容はボリュームがあり、評価する内容になっているんですけども、その中に十勝アウトドア観光会議があり、デスティネーション十勝が中心となって意見を集約して、次の策を考えていくというような形を取るとなっているんですけども、このプランの中でも、実は書いているんです。事業者のヒアリングによる現状と課題というところで、アウトドア事業者は、小規模で経営基盤が脆弱だよと言っているんです。私がその登録DMOの活性化ということで少し御提案したいのは、この登録DMOが、脆弱なアウトドア事業所という部分に、今まではほとんどインバウンドさん、国内型よりインバウンドさんが非常に多いんですね。私も、このアウトドアの事業所等にも関わったことがあるんですけど、経営自体も、よくて2,000万円ほど年間に稼ぐかどうかというところなんですね。要するに、人件費を稼ぐのに手いっぱいという。その中で何がしてほしいかというと、この登録DMOに、やはりプランを立てた後の、要はお客様を持ってきてもらいたい、こういうことなんですね。 事業所にいろいろとお聞きをしました。送客のところをしっかりやっていただければいい。ワントップでやっていくのが一番いいんですけども、宣伝をかける、あるいはプロモーションかけていろいろなんですけどね、そういうところでは、やはり一つの事業所では予算がない。それを、この広域地域連携のところで予算を取って仕組んでいくというのが、私は大事だと思うんですね。そして、それを登録DMOが自主財源という形を取りながら、自分で稼いでいくというのをぜひやっていただければと。僕は、それがDMOの活性化になるんじゃないかなと思うんですね。そこが全国的にも、やはり登録DMOの課題だとも言われているということを少し提言させていただきます。 先ほど御答弁ありましたように、帯広の観光というのは、十勝の自然とアウトドアを満喫することを軸とした体験型を行うことなんですけど、しかし、観光は地域によっては、帯広市も含めて宿泊、滞在する選択肢が増えることが、幅の広い分野での観光の基本だと言われています。そこで、幅広い年齢層、特に時間があって、そして旅に行けて、お金を使えるというのは、やはり高齢者の方だと思うんです。帯広には満足できる食と宿と、それから温泉がありますので、それをぜひ組み合わせていただきたいと思います。 もう一つは、先月、ドリカムのコンサートがありました。行かれた方いらっしゃいます。よつ葉アリーナ十勝でありました。こけら落としでありますけども、非常に盛大だったと思います。市内及びお隣のまちのホテルが満員に近い状態だったんです。そのお客様の問合せの中に、感染対策として、食事の取り方について確認されるお客様があったと聞いています。やはりそういう面で、新しい旅のスタイルが少しずつ変化してきているんだと思うんですね。 それらを徹底しているところが、やはりこの観光の中では生き残っていくんじゃないかなと思います。ぜひ観光戦略の中に、先ほど私が言った内容も少し踏まえて御検討をお願いしたいと思います。 次に、ちょっと話題は変わりますけども、市内の源泉を保有する老舗ホテルと、市外の源泉から温泉を運搬して営んでいる温泉ホテルというのがあると聞きます。また近年、そのようなホテルが増加しているとも聞きます。 ある方からは、源泉を保有する老舗ホテルにとっては、コロナ禍において源泉の維持とホテル経営との両面で、死活問題という声がございます。 そこで伺いますが、市として、源泉を保有するホテル、旅館への支援なども必要と考えているのか、見解をお尋ねします。 ○有城正憲議長 礒野経済部参事。 ◎礒野照弘経済部参事 宿泊事業者につきましては、それぞれの魅力を高めるため様々な取組みを行っており、源泉の保有も、その一つと捉えております。 それぞれの宿泊事業者が、そうした特色や係る費用に応じた入浴料等の料金設定をされているものであり、源泉確保が目的ではございませんが、帯広市では、コロナ禍で影響を受けている宿泊事業者ヘの支援としまして、昨年度から宿泊料金の一部を助成する泊まって遊ぼうおびひろ割を実施してきたところであります。 また、地域おこし協力隊が作成した冊子、帯広温泉倶楽部総集編では、源泉かけ流しや水風呂が地下水かけ流しであるといった各施設のこだわりも紹介しており、これらも活用しながら帯広のモール温泉の魅力を発信していくことで、宿泊者や入浴者を増やし、宿泊事業者の安定経営を下支えしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) 分かりました。 市内のホテルの事業者の方が、新しい温泉ホテルができるという部分で危惧するのはやはり、例えば、100人お客様が来るとなると、そのうち、今までは既存のホテル数だと大体うまくいっていたけれど、新しくできるとその分お客さんを取られてしまうと。そういうような危惧が、自然に心理的に働くのかなと。 また、そうは言いながら、なかなかそういうのは、規制はできないというのも分かります。その中で、やはり源泉を持っているホテルについては、少し御支援をお願いしたいと思います。 地域おこし協力隊があります温泉倶楽部、非常に私も関心を持って見ております。ぜひ、それが成功裏に終わることを期待しております。 次に、おびひろ三大まつりについて伺います。 今年、おびひろ氷まつりは、開催1週間前に急遽中止となりました。協力していた自衛隊は、技術伝承として氷のモニュメントなどを作成して、最後までそれを完成させて次回に技術をつなぐんだということで。私も行って、頼もしいなと思ったんですが、なかなか感染拡大になって中止になったわけでもあるんですけれども、もっと早期に判断できたんではないでしょうか。 中止を判断した理由と、また中止をしないで見てもらう方法もあったのか、御見解を伺います。 ○有城正憲議長 礒野経済部参事。 ◎礒野照弘経済部参事 おびひろ氷まつりにつきましては、帯広のまつり推進委員会において、国や北海道の感染対策を講じたイベントの実施方針に従い、陸上自衛隊第4普通科連隊をはじめとした関係団体の協力の下、市民が笑顔になれる場を提供するため、開催する方向で準備してきたところであります。 しかしながら、1月19日に道内で新型コロナウイルス感染症の感染者数が前日の約2倍となる1,170人と急拡大し、十勝管内への波及も予想されたこと、また、20代以下の若年層の感染者が6割以上と、子供たちへの感染リスクが高い中、氷まつりの来場者の大半が子供たちであることから、来場者の安全確保が困難であるとし、関係機関とも協議の上、帯広のまつり推進委員会が中止を決定したものであります。 中止以外の選択肢としましては、氷像のみを制作し、公園利用者に鑑賞していただくことも検討されましたが、人が集まるきっかけとなることから、全面中止としたものであります。 一方、使用されなかった氷を希望する施設等に提供し、氷の滑り台を制作していただいたり、小学生が制作した氷のお面を各学校で飾っていただいたり、商店街などでアイスキャンドルを飾っていただいたりと、それぞれ工夫して機運を盛り上げていただき、次年度につなげていただけたものと感謝しております。 以上でございます。 ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) 分かりました。決して中止が悪かったというわけではないんですね。様々な検討をされたということで納得しました。 冬のイベントは、夏と違って準備期間が非常に多く取られることがあります。その中で、時間を要することがありますので、市民や祭りに対する団体などのことを踏まえながら、今後ともしっかりと検討していただければと。今回のは、いい教訓ということでありますので、ひとつお願いしたいと思います。 次に、おびひろ三大まつりというと、平原まつり、菊まつり、氷まつりなんですけれども、今年、市民が楽しみにしている平原まつりや氷まつりが中止になりました。コロナ禍で開催できる祭りに、今後できないのかなと思います。知恵を絞って市民参加型の祭り、密集させないために場所を分散させての氷像づくりとか、あるいはバーチャルだとか、いろいろなことをいろんな地域が検討しております。 今後の帯広市の三大まつりの開催の考え方を伺いまして、私からの全ての質問を終わります。 ○有城正憲議長 礒野経済部参事。 ◎礒野照弘経済部参事 コロナ禍におけるおびひろ三大まつりにつきましては、これまでも帯広のまつり推進委員会が、国や道のイベント開催基準に基づき実施方法を検討し、規模の縮小や感染対策の徹底などにより対応してまいりました。 他地域では、オンラインやバーチャルなど代替手段を実施している例はありますが、祭りの重要な要素であるにぎわいの創出や、コストに見合った参加者の満足度をどう確保するかといった視点では、課題があるものと認識しております。 市としましても、帯広のまつり推進委員会と連携し、今後もこれまで同様、市民が参加して楽しめることを前提に、新しい生活様式に対応した実施方法を引き続き検討してまいります。 以上でございます。 ○有城正憲議長 鬼塚議員。 ◆7番(鬼塚英喜議員) 祭りですね、ここ2年、3年実行されていませんので、ぜひ今年はできるような環境になることを期待するのと、あとは工夫を、知恵を出し合ってお願いしたいと思います。よろしく、市長お願いします。 以上で終わります。 ○有城正憲議長 鬼塚英喜議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。         午前11時54分休憩         ────────         午後1時0分再開 ○有城正憲議長 再開いたします。 次に、佐々木直美議員から発言の通告があります。 2番佐々木直美議員、登壇願います。   〔2番佐々木直美議員・登壇・拍手〕 ◆2番(佐々木直美議員) 通告に従い、条例のあり方について、U18の子どもたちについて、核兵器廃絶平和都市宣言について、この3項目について順次お伺いいたします。 まず初めに、条例のあり方についてから伺います。 質問に入る前に、昨日の一般質問の中で法律や条例の運用や解釈について、るる議論がありました。それについて、個人の見解を述べさせていただきたいと思います。 地方自治の推進に当たっては、関係法令を体系立てて読み解き、関係し合う条例の整合性を取りながら事業を進めることが求められます。その中で法律や条例を恣意的、作為的に解釈することは認められることではありません。条例は、議会の承認によって施行されるものですし、これまでも議会において議員の協議の中で、法令で必要とされる事項について真摯な議論をし、決議してまいりました。また、私は、帯広市並びに市の職員は、法令にのっとり適切な運用に努めていると認識しています。それをまず申し上げて、条例についての質問に入らせていただきます。 国、都道府県、市町村という3層構造の中で、市町村の役割としては、生活をしていく上での身近な行政サービスの提供に関すること、地域の実情に合った事業の実施に関すること、国、都道府県、市町村が実施する全施策の成果把握に関することがあります。16万5,000人の人口を抱える帯広市においては、第七期総合計画で時代の潮流について、人々の価値観や生き方の変化を挙げるように、社会におけるニーズ、個性の表現、生活様式、生き方に対する考え方まで、市民の多様化が進んでおります。多様化が進む中で、行政サービスの現場に赴く自治体の職員は、住民とともに問題解決に取り組む存在でなければいけませんが、公務員が働くための根拠をしっかりと整備しなければ、動くに動けないことも事実であり、そのためのルールが必要です。 帯広市まちづくり基本条例は、本市における基本原則を定める総合条例であり、最高規範性を持つものと考えます。また、昨年、市の総合計画が七期目の更新を迎えました。総合計画は、目標とするまちの姿に向かうために行政が行う全ての計画の指針となる計画であり、最高位に位置するものです。 そこで、まず計画と条例の関係性と、どのように関連し合っているかについて伺います。 次に、U18の子どもについて伺います。 社会通念の変化、若い世代の経済力の低下、女性の社会進出など、要因は様々と考えられますが、30代後半の男性の3人に1人、女性の4人に1人が未婚であり、晩婚化、未婚化、非婚化が進んでいます。 日本の過去最高の婚姻数は昭和47年の約100万組ですが、平成30年の婚姻件数は約52万5,000組と半数近くに減少しています。また、本年2月発表された厚生労働省の令和2年人口動態統計の概況では、出生数は84万835人となっており、明治32年以来、最少の数字となりました。 ここで、ここ20年間の帯広市における5年ごとの出生数の推移はどのようになっているか、お伺いいたします。 最後に、核兵器廃絶平和都市宣言について伺います。 帯広市は、平成3年8月15日に核兵器廃絶平和都市宣言を発出しました。非核宣言、平和宣言など、名称は様々ですが、現在、都道府県を含む全自治体1,788のうち、非核宣言をしている自治体数は1,657であり、カバー率は実に92.7%を占めています。これは、日本が世界唯一の戦争被爆国であり、私たち日本国民が受けたあまりにも悲惨な原爆の惨状を忘れることなく、二度とこのような悲劇を起こさせないという強い決意の表れです。 そのような観点から、このたびのロシアによるウクライナ侵攻は許されるものではなく、さらに核の使用を暗示し、現にサポロジェ原子力発電所に対して攻撃を行ったことに対しては、収まらない怒りとやるせなさを感じます。 核兵器廃絶平和都市宣言のルーツはイギリスのマンチェスター市であり、1980年11月に発出された宣言の中で、今日の核兵器の巨大な破壊力を考えれば、我々の決議がそれ自体では意味を持たないことを、我々は認めざるを得ない。したがって、我々は北西イングランドの近隣自治体、さらには英国の全自治体に対して、同様の宣言を行うことを呼びかける。そのことがヨーロッパに非核地帯を設置し、拡大していくための基盤になり得ることを確信する、このように述べています。 始まってしまった戦争を、一自治体が止めることは到底できることではありません。その宣言自体は非常に小さく、力ないものに見えると思います。しかし、世界のほかの国々が一致団結して、武力によらない、あらゆる手段を用いて早期の終息に導くことが必要であり、今はそれに全力を注ぐときであると思います。そのためには、まず自らの意思を表明し、世界と反戦の思いを共有することが求められます。 午前中の質疑にもありましたが、3月2日、市長は在日ロシア連邦大使館の大使に宛てて、核兵器廃絶平和都市の首長として抗議文を送付しております。 改めて、核兵器廃絶に向けた市長の思いをお伺いいたします。 以上で1問目の質問といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 佐々木直美議員の御質問中、核兵器廃絶平和都市宣言についてお答えいたします。 今日、世界各地において民族や宗教、領土などをめぐり様々な紛争が発生しており、ロシアによるウクライナ侵略、核の脅威を伴う重大な事態も生じています。安全保障に関する先行きへの不安や不透明感が増す中にあって、世界の恒久平和への願いを強く持ち、多くの方々と連帯しながら、核兵器の廃絶や戦争の根絶に向け、たゆまずに取り組み続けることが重要と考えているところであります。 帯広市は、広島、長崎の惨禍を繰り返さぬよう、市民意識の高揚と平和運動の推進を図るため、市民懇話会による熱心な議論や市議会での慎重な審議を経て、平成3年に核兵器廃絶平和都市を宣言しました。以来30年の長きにわたり、核兵器廃絶平和都市宣言推進実行委員会をはじめ、多くの市民、関係団体と協力し、幅広い活動を続けてきております。 今後とも市民の皆さんと思いを共有し、力を合わせながら戦争の記憶の継承や、平和に関する意識啓発などの取組みを継続的に進めていくことが重要であると考えております。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 廣瀬智総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 御質問中、条例と計画につきましてお答えをいたします。 まず、条例でございますが、議会の議決を経て制定いたします自治立法でありまして、法律の範囲内という制約はございますが、例えば、自治体が担う事務に関しまして、義務を課し、または権利を制限するものなどを内容として制定するものでございます。 次に、計画につきましては、一概には申し上げられませんが、行政活動を計画的に行うための目標を設定し、その達成に向けた進め方や手段を総合的に示したものと考えてございます。 条例と計画の関係性につきましては、ケースにより様々でございますが、例えば、条例に基づき計画を定める場合には、条例で背景や理念、市や市民などの責務などの普遍性の高い事項を規定いたしまして、計画では、条例で定めた理念等の具体化を図っていくことが一般的と考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 下野一人市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 御質問中、帯広市の出生数の推移についてお答えいたします。 帯広市の出生数は、平成12年度1,755人、平成17年度1,415人、平成22年度1,408人、平成27年度1,316人、令和2年度1,059人となっております。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木直美議員。 ◆2番(佐々木直美議員) ありがとうございます。 市長から答弁がありましたので、順序を変えて、核兵器廃絶平和都市宣言についてからお伺いいたします。 帯広市核兵器廃絶平和都市宣言は、非核三原則の堅持と核兵器の廃絶を求め、核兵器廃絶平和都市となることを宣言しますと、こういうふうな言葉で結ばれています。 非核三原則とは、核兵器を持たず、つくらず、持ち込ませずということであり、国是として確定しておりますけれども、先日、安倍元首相は、持ち込ませずの部分について、議論を妨げないことを要望いたしました。そのことについては、自民党内でも意見が分かれるところであり、岸田首相は、あくまでも三原則は固持するとして、議論を行わない方針を示しました。 しかし、今後の戦況の進展によっては、アメリカの動きなどによって、日本への核の持込みの部分について駆け引きが行われ、摩擦が生じかねない状況であることを懸念いたします。 仮に、国の対応が現状から変更される場合、帯広市の宣言に変更があるのかについて、考えを伺います。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 帯広市の核兵器廃絶平和都市宣言は非核三原則の堅持を求めるものであり、今後とも、その立場で取組みを進めてまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 宣言とは、地域住民に対する呼びかけであり、自治体としての意思を表すものである。それゆえに、流動的であってはいけないと感じております。ただいまの答弁で、揺らぐことのないスタンスでいてくれることを確認いたしました。 自分が覚えている最も幼い頃の記憶を最初期記憶といい、様々な研究や論文からは、最初期記憶の平均年齢は3歳から4歳ぐらいと考えられております。戦後77年がたち、終戦当時3歳だった方は今年80歳を迎えることになります。記憶をひもとき、実体験に基づいた当時の貴重な戦争体験を伝えてくださる語り部も、少なくなってまいりました。 ありがたいことに、戦後、日本は順調に復興を果たし、経済成長を遂げるとともに、平和な77年間を過ごしてきました。しかし、その間も、世界に目を向けると、常に戦争や紛争は絶え間なく繰り広げられてきています。そして現在、ロシアのウクライナ侵攻によって世界の緊張感が一気に増し、バランスを取っていた国際秩序に不穏な影が広がっております。 戦争を知らない今の子供たちは、戦争の本当の恐ろしさをどのように知り得るのでしょうか。戦争の悲惨さを伝え、不戦の思いを確認し、平和であることを手放さない。改めて、この啓蒙が必要であると感じます。 今学校では、子供たちにどのような平和教育を行っているのでしょうか。状況をお伺いいたします。 ○有城正憲議長 広瀬容孝学校教育部長。 ◎広瀬容孝学校教育部長 小・中学校においては、学習指導要領に基づきまして、社会科の時間に学年などの発達の段階に応じて、諸外国の特色、特徴を理解するとともに、互いの伝統や文化を尊重し合うことの大切さを指導するとともに、戦争について学習する際には、国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることを気づかせるように指導しております。 また、帯広市民劇場が実施しております小学校出前講座の一つである、戦争体験から思うことを活用し、語り部の方から戦争体験とともに、平和であることのありがたさを教えていただく機会の活用や、帯広市が主催する帯広市平和の集いの式典に、毎年中学生の代表が参加を通じて、平和教育の充実を図っているところであります。 さらには、帯広市が毎年募集しております平和の作品を広く小・中学生に呼びかけ、絵や詩の創作を通じて平和について考える機会の充実も図っているところでございます。 以上です。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 平成3年に核兵器廃絶平和都市宣言をしてから、30年がたちます。その中で、市は市民に対してどのような平和活動を展開してきたのか、また、その宣言をして、活動を積み重ねたことにより、地域の中にどのような効果をもたらすことができたのかについてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 帯広市では、平和推進事業としまして、各種署名活動のほか、平和パネル展や語り部の会の開催、子供たちからの作品募集や平和カレンダーの作成などの幅広い活動を行っているところであります。 また、本年度は、核兵器廃絶平和都市宣言30周年記念事業としまして記念式典を挙行したほか、帯広空襲体験談のDVDや30周年記念誌の制作などに取り組んできているところであります。 こうした活動を通し、戦争の記憶を次世代に伝えるとともに、平和に対する市民意識の涵養につながってきていると考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 全国で平和の推進に関する条例を施行している市町村は、令和4年2月時点で約20自治体となっています。 市は宣言都市として、啓蒙、啓発活動に取り組んできましたが、宣言と条例の違いについて、また、条例にすることによって、どのような効果が見込めるのかについてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 平和に関する条例は、苫小牧市などが制定しておりますが、核兵器廃絶平和都市宣言と比較いたしますと、平和事業の推進に関する市の責務を定めている点などで、違いがあると承知しております。 これは、平和に対します理念の表明にとどまらず、具体的な事業の実施につながることを意図していると考えていますが、帯広市の場合は実行委員会を中心に、毎年度継続的に平和事業に取り組んできており、効果としましては、宣言と条例では、大きな差はないと認識しております。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) これまでの質疑の中で、継続してきた平和活動について伺いましたが、その活動は、条例で求められていることとそごはないと感じます。また、30年という継続した平和活動には、重みがありますが、一方で、戦争の悲惨さや平和の希少性の認識が、時間の経過とともに薄れてきています。 今、まさにウクライナ侵攻を許してしまえば、再び別な場所での戦争に正当性を持たせてしまうのではないかと考えることもできます。ウクライナ侵攻の武力によらない解決を切に求めるとともに、地域での平和活動のさらなる推進を要望しまして、この質問に関しては終わります。 続いて、条例のあり方について質問を続けさせていただきます。 今、地方分権改革が進み、自治体には自主自立の運営が強く求められています。また同時に、市民参画と協働のまちづくりを推進していくため、市民や市議会、行政などの権利や責務をはじめ、まちづくりの基本理念や基本原則などを分かりやすく表現し、市民が迷うことなくまちづくりを実践できる、基本的なルールづくりが求められています。 条例は、地方自治体の最高の法形式であり、市民との関係や地方自治体の基本的な事項について定めているものです。その中でも、大枠を法律が定め、地域の自治体が条例で補完するような条例もあれば、法律で定められていない制限について、自主的に制定する条例もあります。 一般的に、委任条例と自主条例と言われておりますけれども、改めてその定義を伺います。また、現在、帯広市には幾つの条例があるのか、条例の性格、種類について、どのように区分しているのかについて伺います。 ○有城正憲議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 条例の区分でございますが、様々な考えがございます。 法律との関係で分類した例で申し上げますと、法律におきまして、条例に一定の事項を委任にしたものを定めている条例を委任条例とし、法律の委任がない場合でも法律を実施するために必要な手続を定めている条例を、執行条例とする例もございます。これに対して、法律の根拠がなく地方公共団体の自主的な判断によって制定する条例を、自主条例としているところでございます。 次に、市で制定している条例の数につきましては、本年2月末現在で239件となっております。その区分につきましては、法の委任事項と手続を一つの条例に規定するものや、法の枠組みの中で、特定の施策を自主条例の性格を持って定めているものなど複数の性質を持つ条例も多く、明確に区分はしておりませんが、規則なども含めた例規の体系といたしましては、総規、人事、給与、財務、経済など、14に分類しているところでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 委任条例とは、法律において、条例に一定の事項を委任したものを定めている条例ということですが、その細則については、地域事情を盛り込むことができることになっております。 地方分権改革による義務づけ、枠づけの見直しに伴い、条例委任する場合の基準の類型は3つ上げられております。1つは、法令の参酌による基準を十分に参照した結果であれば、地域の実情に応じて、異なる内容を定めることは許容される。2つ目としては、法令の標準に基づき、合理的な理由がある範囲内で、地域の実情に応じた基準と異なる内容を定めることは許容される。3つ目としては、法令の従うべき基準と異なる内容を定めることは許容されないが、当該基準に従う範囲内で、地域の実情に応じた内容を定めることは許容されると示されています。 このように、委任条例の場合、ある程度許容の範囲内で地域の事情を反映することになっておりますが、市の条例の中ではどのような例があるのか、お伺いいたします。 ○有城正憲議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 本市におけます委任条例といたしましては、例えば、道路の構造の技術的基準等を定める条例のように、地方分権改革に伴いまして、自治体で細目を定めますものや、職員の給与条例のように、法の規定に基づき必要な事項を定めるものがございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 条例に定められた事項はずっと残り、変わらず普遍的な考えを継承していくことが大切な一方で、時代ですとか環境、そこそこの地域性に合わせまして変化していくことも、また重要です。 条例の制定、改正はどのようなタイミングで行っているのか、お伺いいたします。 ○有城正憲議長 廣瀬総務部長。 ◎廣瀬智総務部長 条例の制定、改廃につきましては、社会環境の変化などに合わせまして、国において新たに法が制定されましたり改正されることに伴い、法の委任事項や手続などについて整理するものが多くなってございます。その改正に当たりましては、国から示される背景や趣旨、改正例などを踏まえまして、地域の実情を考慮して、改正案等を議会に提案しているところでございます。 自主条例の場合にも、社会環境の変化があった場合など必要に応じまして、適宜改正の必要性も含め検討を行っているところでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 今まで委任条例についてお伺いしてきました。 自主条例とは、法律の根拠がなく、地方公共団体の自主的な判断によって制定する条例ということでした。自主条例につきましては、法令に明文の規定がなく、立法の目的、趣旨が各地方公共団体の裁量を許容している場合には、法令の規定よりも強い規制、いわゆる上乗せ、横出し条例もできるとされて、住民福祉、地域力向上のために条例を積極活用して、その自治体の個性を際立たせているものがあります。 帯広市においては、2007年に既存の帯広市中小企業振興条例を廃止し、新たに帯広市中小企業振興基本条例を制定しました。北海道内では、帯広市が最初の制定であり、同友会、商工会議所、帯広市担当課職員などが、官民一体となって議論を重ねたと伺っております。 そこで、改めて条例制定までの経緯についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 相澤充経済部長。 ◎相澤充経済部長 平成11年に中小企業基本法が改正され、中小企業が日本経済の担い手として位置づけられました。同時に、企業の自主努力に対する支援策が打ち出されましたほか、市町村が地域産業政策の実施主体として規定されております。 この法改正を受け、市内経済団体におきまして、中小企業振興に係る条例制定の機運が高まり、先進地の視察や市との意見交換を重ねられました。いただいた御意見なども踏まえ、平成19年に十勝・帯広の様々な産業との関連性を深めながら、関係者が協働で地域経済の担い手である中小企業の振興を図ることを目的とした帯広市中小企業振興基本条例を制定しております。 以上です。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 中小企業振興基本条例については、民間によるプロジェクトも立ち上げ、勉強会、検討会と、度重なる協議に手弁当で参加し、熱い議論が交わされたとお聞きしております。 条例によって特化した事項の取決めを行うという結果も大切ですが、その条例をつくる過程において、いかに多くの市民につながったのか、その中でいかに共通の認識が深められたかということが、まちづくりにとっては非常に重要であると思っております。当時のお話からは、検討段階での中小企業振興の白熱した議論に伴い、経済基盤強化につながる参加者の機運を巻き起こしたとお聞きします。 そのようにつくられた中小企業振興基本条例ですが、改めてこの条例の特徴について、また、具体的にどのような取組みが進められてきたのかについてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 相澤経済部長。 ◎相澤充経済部長 基本条例の主な特徴といたしまして、中小企業振興の分野に協働という概念を取り入れ、地元中小企業者を行政とともに、同じ目標に向かって力を合わせて活動する主体として位置づけたことでございます。 そして、資源や強みを生かした産業振興など、取組みの基本方向を明確にしたこと、企業活動が行政区域に収まらないことを踏まえ、農林漁業を基幹産業とする十勝という広域の概念を取り入れたことなどが上げられます。 また、基本条例制定後、地域の経済団体、金融機関、行政などで構成される今の帯広市産業振興会議を立ち上げたところであります。この中では数十回に及ぶ議論を積み重ねながら、条例に基づく中小企業振興の指針として、平成21年に第1期の帯広市産業振興ビジョンを、令和元年には第2期のビジョンを策定し、関係施策を展開しております。 ビジョンの推進に当たりましては、第2期計画がスタートした令和元年度から産業振興会議において、各分野の現状や課題を共有した上で、計画に基づく施策の立案の段階から委員と協働でつくり上げ、事業化、予算化する仕組みを取り入れております。 以上です。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 数十回に及ぶ議論の積み重ねというお話がありました。 地域内の経済的効果だけではなくて、行政スキルとしても、地元事業者と多くの会議を重ねた期間を通して、協議会や産業振興会議に関わった自治体職員などの人的資源の向上に寄与したことに加えて、地域振興策についてのノウハウを蓄積するために、一役買ったのではないかと考えます。 また、帯広市中小企業振興基本条例の第3条では、この条例の目的を達成するために5つの項目を上げております。1つ目は、起業、創業及び新技術、新事業開発の支援。2つ目は、人材の育成及び担い手づくりの促進。3つ目は、経営基盤の強化。4つ目に、産業基盤の整備。5つ目に、中小企業者の組織化の促進及び中小企業団体の育成となっております。 これらは、フードバレー政策、イノベーション・エコシステムと共通する地域経済の発展のためのベースとなる考えとなっています。これの成果を大きくする上では、行政と民間の連携強化が必須であり、地域のプレーヤーといかに広く強くつながり、熱量を保てるかということにかかっていると感じます。 今後の中小企業振興の市民協働の推進に向けた考えをお伺いいたします。 ○有城正憲議長 相澤経済部長。 ◎相澤充経済部長 中小企業家同友会十勝支部ととかち財団、帯広市とで意見交換を行った際、同友会十勝支部からは、とかち財団などが実施する起業、創業支援につきまして、地元中小企業とさらなる連携、協力を検討してはどうかとの御意見をいただいております。 とかち・イノベーション・プログラムは、参加者の固定化が課題となっておりましたが、同友会十勝支部の協力で、会員に直接周知を図るなどにより、今年度は参加者の7割が新規となりました。 今後も起業、創業支援の実効性を高めるため、地元中小企業との連携、協力を検討していく必要があるものと考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 帯広市中小企業振興基本条例、これも制定から15年がたちました。新型コロナウイルス感染症の影響で、地域の経済基盤が大きく揺さぶられている今、策定当時にも増して、中小企業の振興は求められております。 しかし、条例制定当時のエネルギーは保たれているのでしょうか。帯広市の場合、条例文の検討、産業振興ビジョンの策定時に多大な時間をかけ、問題意識や課題を共有しながら進めてきた経緯があります。しかし、産業振興会議の2期以降はメンバー交代が進み、自治体職員も、部署の移動によって担当者が替わっています。一般的にメンバーの交代が進めば進むほど、なぜ条例や産業振興ビジョンが必要なのかといった初期の理解や問題意識の共有にそごが見られ、会議自体が形骸化してしまう可能性があります。 このことに関する市の考えをお伺いいたします。 ○有城正憲議長 相澤経済部長。 ◎相澤充経済部長 帯広市中小企業振興基本条例は、地域産業の重要な担い手である中小企業者の振興を図ることが、地域経済、ひいては地域の発展につながるとの認識の下、中小企業者と市の役割や協働の必要性、地域資源、強みを生かした産業振興の方向性などを規定したものであります。 こうした考え方は、いつの時代も大きく変わるものではないと認識しておりますが、条例制定から15年が経過しております。今後も産業振興会議などを通じて、委員だけでなく市職員も条例の理念を継承しながら、取組みを進めていく必要があるものと考えております。 一方で、社会経済環境の変化に合わせ、施策そのものは柔軟に対応していく必要があります。産業振興ビジョンの策定だけでなく施策の推進に当たっても、その立案の段階から産業振興会議の委員に関与いただくなど、地元事業者との協働で中小企業振興を図っていく考えであります。 以上です。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 条例づくりは、市民が合意形成を進めるための貴重な場を私たちに提供してくれます。そして、つくり上げる過程、策定後の認識の浸透の中で、市民と一体感をつくりながら、活動を共にすることが協働のまちづくりにつながります。 私も、議会で政策研究の一員として関わらせていただきましたが、テーマとする分野のオピニオンリーダーやプレーヤーの方たちとの交流や連携が、新たな課題と気づきをもたらしてくれました。加えて、その後も、解決に向けたシンクタンクとなって協働してくれる関係となったことが、何よりの収穫であったと感じています。 今後も生きた条例、これを地域に根づかせるために、市民との絆を深めながら推進していただくことを要望して、U18の子どもたちについての質問に移ります。 先ほど、帯広市における出生数の減少の状況を伺いました。2000年から2020年にかけて年間出生数は60%となり、700人の減少ということでした。この世に生まれてきた子供たちには、数が減っている状況であればなおさらのこと、一人ひとりがすくすくと心身共に健康に育ってもらいたいと願うところですが、家庭環境を取り巻く今の社会には、様々な課題が横たわっています。 日本の子供の貧困率は13.5%、約7人に1人の子供が貧困ラインを下回っていること。独り親世帯の貧困率は48.1%、独り親家庭の半数の子供たちが貧困状態にあること。また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、こうした世帯での生活状況がさらに厳しくなっている可能性があること。これらは、既に周知の事実です。 内閣府は、子供の貧困に関する初めての全国調査の報告書、令和2年度子供の生活状況調査を昨年12月に公表しました。 それによると、保護者の経済状況や婚姻状況によって、子供は学習、生活、心理面など広い範囲で深刻な影響を受けていると示しています。例えば、貧困層はその他の層と比べると、成績の低い子が2倍、授業で分からないことのある子供が3.3倍、学校以外で勉強しない子供が4.7倍多いことが報告されておりますが、大学進学希望者は0.4倍、生活に満足している子供は0.8倍と少ない状況でした。また、貧困により追い詰められた生活から虐待につながる問題も出てきております。 児童虐待の現状に関する厚生労働省の報告では、2020年度、児童相談所が対応した児童虐待相談件数は約20万5,000件であり、ここ数年は右肩上がりで増加しています。2019年4月から2020年3月までの1年間で虐待によって死亡した子供の数78名、この虐待死した子供のうち3歳以下が59.7%、その中でもゼロ歳以下が最も多く、全体の49.1%を占めていました。令和元年度、その中で児童相談所が対応した養護相談のうち、実の親による虐待の割合は88.9%に上っています。 このように、解決能力を持たない、保護されるべき子供たちを取り巻く環境が、社会状況の変化とともに、徐々にゆがんでいる状況が見受けられます。 市も、独り親家庭のアンケートや児童相談所などとの連携の中で状況把握に努めていると思いますが、市内の子供たちの生活状況はどのようになっているか、押さえているかをお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 帯広市が昨年度行いました独り親家庭へのアンケート調査によりますと、コロナ禍によりまして、収入に影響のあった世帯は約4割だったほか、半数の方が子育てに悩みを持っているという状況であり、新型コロナウイルス感染症の拡大により、子供たちにも少なからず影響が生じているものと認識してございます。 また、子育て家庭からの相談を受けている地域子育て支援センターにおける主な相談の内容といたしましては、家庭環境や子供の基本的な生活習慣に関するものとなっているほか、新型コロナウイルス感染症が拡大して以降は、外出自粛等に伴うストレスに関する相談も寄せられているところでございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 今は、貧困が見えない時代と言われています。その理由の一つとして、昔に比べて、親子だけで暮らしている核家族が増えていることが挙げられます。 帯広市の人口は16万5,000人、世帯数は約9万世帯、それから割り出しますと、1世帯の平均家族数は約1.83人となっています。 核家族が増えることで、隣近所との関係が薄くなり、祖父母との距離も遠くなることで、家庭内の状況が見えにくく、お互いに助け合うことが難しい状況になってきます。また、2世帯同居では当たり前に行われていた日常生活のサポートや子育ての指導なども受けられず、慣れない子育てに不安を抱える若い保護者が大勢います。このコロナ禍では、特に子供を連れての外出に抵抗があり、家庭の中で過ごすことが多くなったことから、社会から遠ざかった。孤立感を感じるなどの傾向にあります。 コロナ禍で虐待死のニュースが増えましたが、閉鎖された家の中で、潜在していた孤独と不安が表面化したときには、事件につながっていたというケースです。 市は、このような側面を持つ養育家庭にどのような支援を行っているのか、状況をお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 帯広市におきましては、子育てに不安や困難を抱えます家庭を早期に把握し、保護者の相談や支援を行うため、子育て世代包括支援センター事業による相談対応に加えまして、令和3年度からは、見守りと具体的な生活援助を一緒に行う養育支援事業を拡充してきてございます。また、ファミリーサポートセンター事業の実施や、子育て支援サイトすこやかネットによる子育て情報の発信など、安心して子育てができる環境づくりにも取り組んできているところであります。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 子供の健やかな育ちを支えるということは、取りも直さず子育て家庭、保護者を支援することにほかなりません。 子育て家庭の保護者にとって、保育園、幼稚園などは頼りになるサポーターです。また、その存在が、家庭への支援を必要とする子供たちが増加傾向であること、幼少期の子供の多くは日中の長い時間を保育所、認定こども園などで過ごすこと、保育のプロである保育士と保護者に信頼関係があることなどから、親からの相談対応として、保育士のソーシャルワーク機能の強化が求められています。 そのことに関する市の認識をお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 保育施設におきましては、これまでも保護者が抱える様々な悩みに耳を傾け、子育て家庭の不安に寄り添いながら、相談援助を進めているところであります。 子供たちや子育て家庭を取り巻く環境が変化する中、保育施設における相談援助は、子供の健やかな成長と子育て家庭の安心した暮らしに、より一層大きな役割を担うものとなってきていると認識してございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 厚生労働省子ども家庭局保育課が提案する保育所等における要支援児童等対応推進事業があります。 基幹保育所にソーシャルワーカーに相当する地域連携推進員を配置し、基幹保育所内で相談支援を実施しつつ、ほかの保育所への巡回指導を行います。推進員は、要保護児童対策地域協議会と連携して、保育所で見つけたケースを各関係機関につなげ、協議していくというシステムです。 養育困難や虐待など緊急度の高いケースはもちろんのこと、これまで保育スタッフが、何だか気になるけど、どこに相談すればいいのか分からないとか、気になるけれども、大ごとにするほどではないかもしれないと見守りがちにしていたケースについても、丁寧に状況を確認し、対応できるようになります。 全職員、保育士さんたちは本当に、非常に毎日忙しい状況であると思っています。保育時間が終わってから遅い時間まで、子供の育ちに関して会議を重ねている、そういう忙しい保育士さんたちの負担を増やすことなく、子育て家庭のニーズに応えられる事業となっております。 事業導入の考えについてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 帯広市では、平成20年度より地域担当保育士6名を保育所に配置いたしまして、関係機関と連携しながら、保育所に通う要支援家庭に対し、相談援助の取組みを先駆的に取り組んできているところであります。 今後におきましても、子育て家庭のニーズや悩みに寄り添いながら、これまでの取組みをさらに積み重ねてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 政府は昨年4月、こども庁の創設に当たる検討を始めました。経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針に盛り込み、2022年秋もしくは2023年の創設を目指しています。 帯広市は、子育て支援に関して先進的に取り組んできた地域だと思います。今後、国からはこども庁の新設に伴い、子供施策を補完するメニューの提案が数々なされると思います。情報に注視しながら体制の充実に向けて、新たな補助事業も効率的に活用するように要望いたします。 また、人々の多様化が進む中で、生活の調和を取りながら働くワーク・ライフ・バランスの考え方が徐々に浸透してきました。家族と一緒に過ごす時間を確保する。子供と一緒の楽しい時間を共有する。このことは人生の質を高めて、家族関係を豊かにし、子供の人間形成にも大きな影響を与えます。 しかし、働き方の意識を変えたり、会社の体制を変更することは、容易にできることではありません。これは地域全体で、ワーク・ライフ・バランスを取り入れるムーブメントを起こすことが必要です。 以前、行政視察で秋田市に赴き、エイジフレンドリーシティ構想について学んできました。行政が行う全ての施策を高齢者目線で検討することで、高齢社会に対応したまちづくり、ひいては障害者も子供も、全ての市民が暮らしやすいまちを目指すというものでした。 まちづくりにおいて、福祉政策、経済政策、都市計画など、全ての施策は相乗効果を持って機能しています。その中心に子供を据える。帯広の将来を、子供というフィルターを一度通して全ての施策を進めていく。 将来、この地域を担う子供たちが真っすぐに育つためのまちづくりをすることが、温かいまちづくりとなり、人を呼び込み、発展するまちになると考えますが、認識をお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 子供や子育て家庭が健やかに暮らせる地域社会を実現するには、安定的な保育の提供や相談体制の充実などの子育て支援施策をはじめ、良好な雇用環境の確保や住環境の整備などの取組みを総合的に進めることが重要であると捉えてございます。 帯広市では、第2期おびひろこども未来プランの全ての施策におきまして、全ての子供の幸せを第一に考え、子供の最善の利益を最大限に尊重する子供の視点を掲げて進めることとしております。 今後も市民、関係機関、行政等が一丸となり地域社会全体で、誰もが安心して子供を産み育てられる環境づくりを進めてまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 繰り返しになりますが、帯広市の将来を担う子供には、本当にすくすくと、心身ともに真っすぐに育ってほしい、これは皆さん共通の願いです。 今の子供たちは、貧困であったり、虐待であったり、いじめであったり、発達障害であったり、一人の子供が複合的な悩みを抱えていると言われています。また現在、100万人を超えるひきこもりがいると言われておりますが、3割は不登校経験者だと言われております。様々な要因で挫折を感じてくじけそうになったとしても、長期に引きずる状況をつくらず、その挫折を乗り越えるための支援が必要です。 今、精神的回復力、抵抗力、復元力を表すレジリエンスという言葉がキーワードになっています。そのレジリエンスが最大限発揮できる場所は、家庭でも、学校でもなく、一度それらの場所から離れて気持ちをリセットできる第三の居場所、サードプレイスであると言われています。 2021年版子供・若者白書によると、子供が成長する過程において居場所を多く持っているほど、前向きな気持ちになれるという分析結果が出ています。充実感を感じる人の割合は、居場所が1つの人は20%強なのに対して、6つある人の割合は約90%となっており、居場所の重要性が証明されております。 市のサードプレイスに対する認識と、子供たちに対するサードプレイスの提供状況についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 帯広市におきましては、児童保育センターや小学校の体育館などを活用しました放課後子ども広場や児童会館、図書館などのほか、民間が自主的に活動している子ども食堂やフリースクールなどが、子供の第三の居場所としての機能を有しているものと捉えてございます。 近年、家庭の抱える困難が複雑、深刻化し、地域のつながりも希薄になる中で、安心して過ごせる居場所がなく、孤立してしまう子供がいるとも認識してございます。こうした子供たちが、家庭や学校以外に安心して過ごすことのできる場所、いわゆる子供の第三の居場所の存在は、子供たちにとって有益であるものとも考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 昨年12月、内閣府から提案された地域子供の未来応援交付金は、現在の子供たちの貧困やいじめなどの様々な状況を改善させるため、新たな連携によるつながりの場づくり緊急支援事業を設け、自治体が民間、NPOなどに委託してサードプレイスの新設を支援する事業です。 交付金の内容は、補助率10分の10、補助基準額は事業当たり最高250万円で提案されています。生きづらさを感じる子供たちの支援として必要な対策だと感じます。ぜひ、導入の検討をお願いしたいと思いますが、認識をお伺いいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 地方自治体と新たに連携したNPO等による子ども食堂等のつながりの場を緊急的に確保する国の事業でありますが、本年1月14日現在、全国で4件の活用があるものと伺ってございます。 本事業の活用につきましては、帯広市の子育て支援施策や地域における取組み状況など、当事者間で事業の必要性や課題の共有を図るなど、情報交換をまず進めてまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 佐々木議員。 ◆2番(佐々木直美議員) 先ほど答弁の中で、地域資源として、民間が自主的に行う子ども食堂やフリースクールがあるというお話でした。 子供のレジリエンスが充実している地域というのは、行政と民間が連携し合い、お互いの不足するところを補完し合いながら、充実した相談体制、支援体制を身近なところにちりばめている地域ということではないかと考えます。 子育てしやすいまち、子供が幸せに育つまちこそ、未来が明るいまちであると考えます。ぜひ、その実現に向けた施策の推進を要望いたしまして、全ての質問を終わります。 ○有城正憲議長 以上で佐々木直美議員の発言は終わりました。 次に、菊地ルツ議員から発言の通告があります。 9番菊地ルツ議員、登壇願います。   〔9番菊地ルツ議員・登壇・拍手〕 ◆9番(菊地ルツ議員) 昭和20年の終戦から77年がたちました。今こうしているときにも、ウクライナとロシアで人の命が失われる戦いが起きている現実を目の当たりにして、少しでも早い終息を願っております。どのような正義があれ、犠牲になるのは一人ひとりの市民の安全と命、守られるべき人が守られないようになる戦争を許すことはできません。今日、こうしてまちづくりや市民の幸せのために議論できるのも、平和であればこそであります。世界平和を心から祈りながら、通告に従い質問をいたします。 100センチは子どもの視線の高さ、そして車いすを利用する方の視線の高さです。「100センチの視点」とは、子ども、高齢者、障がい者など社会的な支援を必要とする方々の視点に立って物事を考えることであり、誰にも温かくやさしい生活者重視の視点は、まちづくりの基本です。市民一人ひとりが幸せと生きがいを感じられる安心・安全で人に優しい地域づくりを推進します。2010年3月16日に発表された米沢市長候補の公約にあるまちづくりの5つの視点、その2番目に記されていたものです。 その後の公約の中に、100センチの視点という言葉は姿を消してしまいましたが、市長、忘れてはいませんよね。 振り返ると、社会も、市民の暮らしも、生き方も日々変化をしております。その風景は変わらないように見えても、少しも同じところにとどまることはありません。コロナ禍にある2年余の日々と、そしてウクライナ侵攻、安全と安心が大きく揺らぐことを実感し、市民の幸せは、日々の暮らしの中にある小さな積み重ねだと、改めて気づかされます。市長の口癖と申し上げていいのかどうか分かりませんけれども、「三度のごはん きちんと食べて 火の用心 元気で 生きよう きっとね」、この言葉の重さを、今さらですが、感じているところであります。 市民の幸せは、小さな当たり前のことが当たり前にできること。それが滞ったとき、相談窓口や公的サービス支援が手の届く場所にあること。法律や行政サービスからこぼれ落ちる市民を守り、支援につなぐことで、早期発見、早期対応が可能になる。市民の幸せは、自治体の姿勢や取組みで救われることも少なくありません。 食料基地十勝を舞台にフードバレー政策での産業振興による地域づくりが、米沢市長の看板だとは思いますが、全ての人に優しいまちづくり、100センチの視点から進めてきた市長の12年間のまちづくりにおいて、取り組んできたこと、また達成できなかったこと、道半ばと感じていること、思い描くまちづくりについて伺います。 自治体DXについて伺います。 この事業目的の一つは、手続のオンライン化、手続案内機能の拡充と様々なデジタル技術を活用して行政サービスの見直しを行うことにより、書かない、待たない、書かなくていい、これが可能なデジタル市役所の実現を目指すものであります。 あらゆる情報が、欲しいときに、欲しい場所で、欲しいツールで、欲しい情報や、より新鮮な情報を分かりやすい形で得られることが当たり前の時代になりました。社会の変化は加速し、DX、デジタル化もその対応が求められています。 オンライン手続の最適化についても、簡単で分かりやすく、素早くサービスを受けられるようにすることや、受け付けた後の業務プロセスの見直しまで一体的に行う業務の最適化が推進されるわけですが、市の認識と課題について伺います。 2025年には、いわゆる団塊の世代が後期高齢者に達する年となります。5.5人に1人が後期高齢者となると言われておりますが、総人口と生産年齢人口が同時に減少し、少子化、高齢化が複合的に同時進行する世界で唯一の国になる。特に深刻なのが、医療、介護費用の増加とそれに伴う現役世代の負担増であります。 国は、2025年を目途に高齢者の尊厳の保持、そして自立生活の支援の目的の下で、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進してまいりました。さらに、その後直面する様々な問題を総称し、2035年、また2040年問題とも名づけられ、課題解決を模索しています。 2025年まで3年を切りました。果たして、この2025年問題は本市においてクリアできるのでしょうか。市における地域包括ケアシステムの到達点、併せて2035年、2040年問題についても認識と考えを伺い、1問目といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕
    ◎米沢則寿市長 菊地議員の御質問中、100センチの視点についてお答えします。 市民一人ひとりが幸せを実感できるまちづくりを進める上で、子供、高齢者、障害者など、社会的な支援を必要とする人の視点を持つことは重要であると考えております。私の1期目の公約では、100センチの視点と表現しましたが、これまで表現は異なるものの、こうした考え方を基本に、人に優しいおびひろの実現を目指し、まちづくりを進めてまいりました。 この12年を通し、救急医療体制の整備をはじめ、子育てや高齢者、障害者等の相談支援体制の充実、高齢者おでかけサポートバス事業の実施など、支援を必要とする人への取組みを進めてまいりました。また、公営住宅の整備や火葬場のバリアフリー化、学校、保育所の耐震改修、学校や公共施設のトイレの洋式化を進めるなど、ソフトとハードの両面から、誰もが安心して生活できる環境づくりに取り組んできております。 今後も温かい思いやりの心を大切にしながら、市民一人ひとりが支え合い、生き生きと幸せに暮らせるまちづくりを進めていくことが必要と考えているところであります。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 河原康博総務部職員監。 ◎河原康博職員監 御質問中、デジタル化についてお答えいたします。 デジタルトランスフォーメーションは、単にデジタル化を進めるだけではなく、デジタルを前提としまして、仕事の進め方自体を変えていくものと捉えております。そのため、システムの標準化や手続のオンライン化に対応した業務プロセスの見直しは欠かせないものと考えておりますが、システム側の仕様が明確にならないと、具体的な運用の整理が難しい部分もありますことから、試行錯誤しながら運用を変更していく必要があると考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 下野一人市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 御質問中、地域包括ケアシステムについてお答えいたします。 帯広市ではこれまで、介護サービスの安定的な提供や生活支援サービスの充実、地域包括支援センターの相談体制の充実や地域ケア会議等の開催、在宅医療、介護連携の推進など、地域住民や関係機関とともに着実に取り組んできており、2025年を見据えた高齢者を支える体制は順調につくられてきているものと認識しております。 今後も少子・高齢化の進行とともに、支援を必要とする高齢者の増加が見込まれますことから、介護予防や地域の支え合い、認知症施策の推進などを通し、高齢者一人ひとりが住み慣れた地域で、健康で生き生きと充実した生活ができる社会を目指してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 菊地ルツ議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) それぞれ御答弁いただきました。通告に従いまして、順次質問を続けさせていただきます。 100センチの視点ということで、12年間についてあらあらお伺いしたところであります。たくさんのことをお聞きしたいんですけれども、本当に小さなこと、小さな積み重ねが、この市民の皆さんの幸せにつながると私も思っておりますので、1つだけお伺いさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 私が帯広に住んで、12年目を迎えようとしております。北海道に来てからは、29年目に入ろうとしております。私がこの十勝・帯広に住んで一番残念なことは、歩く環境の厳しさでありました。四季を通じて、折々に非常にすばらしい自然環境の中に暮らしていて、歩道がもっと快適に安全な状況であれば、ここはもっといいまちになるんじゃないか、そんな思いを持ちながらの11年間でありました。 まず、市道における歩道の位置づけと整備の考え方について伺います。 ○有城正憲議長 和田亮一都市環境部長。 ◎和田亮一都市環境部長・新総体整備推進室参事 歩道は、沿道の土地利用の状況や歩行者の交通量、連続性など、そういった状況に応じて設置しておりまして、歩行者の安全を確保するため、都市計画道路や通学路などの緊急性や、あるいは危険性の高い道路におきまして、縁石により車道と分離した整備を行っております。 また、既存の歩道につきましては、舗装幅員が狭く、またひび割れや凹凸などの老朽化が著しい箇所につきましては、通学路などを優先する考え方を持ちまして、歩道の拡幅、路面の平たん化、段差解消などの再整備を行っているところであります。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 車社会の帯広ではありますけれども、インフラ整備は市民の生活の根元でございます。その安全と安心は生活の要、積雪や寒冷地域でありますので、道路の維持管理も大変厳しいとは思います。 歩道も含め、道路の再整備や点検における法的ルールや具体的な維持管理などについて伺いたいと思います。 ○有城正憲議長 和田環境部長。 ◎和田亮一都市環境部長・新総体整備推進室参事 ルール、基準についてでございますけれども、道路施設のうち、橋りょうやトンネル、大型の標識などにつきましては、道路法によりまして5年に1度の点検が義務づけられております。しかしながら、道路本体におきましては、そのような特段の定めはなく、したがいまして、日々のパトロールによりまして点検を行っております。また、道路の再整備につきましても、基準というものはございません。 道路の維持管理に当たりましては、道路パトロールや市民からいただいた情報を基に道路状況を把握し、損傷の程度を判断しながら、通学路や交通量の多いところを優先に補修し、安全な道路環境を維持していくよう努めているところでございます。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 法的なルールですとか明確なものはない。目視で、また市民の皆様の御要望によりということであったと思います。どうしても、なかなか外を歩いている方等は見当たらないかもしれませんけど、でも確実にいらっしゃるんですね。 歩道の再整備についてですが、市の管理する道路、これは約1,400キロメートルと伺っております。うち歩道は906キロメートルとも伺っておりますが、令和3年3月議会において、市長は、安全な生活環境については、交通安全や防犯の意識啓発、危険箇所における標識の設置、歩道の再整備を行うと述べ、必要性も認識と理解しております。 市長就任から、この間の歩道の再整備状況について伺いたいと思います。また、今後再整備を行う予定はどのようになっているでしょうか。 ○有城正憲議長 和田環境部長。 ◎和田亮一都市環境部長・新総体整備推進室参事 平成22年度以降で申し上げますけれども、これまで都市計画道路や生活道路などの歩車道分離の整備のほか、歩道の段差解消や勾配解消のために再整備を行っておりまして、これまで延長といたしましては約24キロメートルを整備しております。そのうち既設歩道の再整備につきましては、市道南26丁目西線の約1.4キロメートルを実施しております。 今後につきましては、明星小学校北側の南21丁目西乙線などの整備を予定しているところでございます。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 本当に少しずつ進んでいるということでありました。10年間で約1.4キロメートルの再整備、1.4キロメートルということであります。 非常にゆっくりした歩みだなと思いますけれども、気候も厳しいですので、つくってから確実に傷んでいくということですね。市内を歩きますと、先ほどおっしゃいました凸凹もあります。点字ブロックやインターロッキングブロックが剥がれて、不安定にがたがた動いてしまう状態というのもなかなか改善されにくい。また、水道や下水道など地下に埋めているものをまた埋め戻したとき、そこの状況が非常に凸凹してしまう。また、街路樹の根っこが張って、そこに亀裂が入って、また凸凹してしまうという箇所が、非常に長くそのままであるというのも、今の1.4キロメートルという数字を聞いて納得いたしました。納得というのも、いろいろありますが。 補修に関するルールも、資金もないというのも、この間お聞きをしているところでありますけれども、市民からの苦情や求めに応じた手作業ですよね、手作業での補修が続けられているというのも承知しております。その結果、歩道は残念ながら荒れ放題。冬になると、歩道の状態はさらに厳しさを増します。雪解けの頃もそうなんですが、また、そこに除雪が入るということになりますと、畑を起こした後のようになってしまうという状況も実態としてございます。 市民は、雪が降ったときなどは翌朝の通勤や通学者の方を思って、自分ちの前は一生懸命除雪をなさいます。そして、滑ってはいけないと思って砂をまいたりもしてくださっているんですね。まさにこれ、協働のまちづくりだと思います。 この11年間、残念ながら、除雪のそういった問題もいろいろと、なかなか改善もされていない。厳しい状況だということも十分に承知はしておりますが、子供、高齢者、障害者など、四季を通じて安全に歩けるまちにしていただきたいと強く思います。 市内には、傷んだ歩道が散見しますし、歩くのがおっかないんですね。つえや歩行器を使って歩くとき、またベビーカーや車椅子、バギーを押して歩くとき、また、自分でこぐには途方に暮れるときがございます。市民に一番近いところにある課題ではないかと思うんですね。 グリーンパーク周辺の歩道も大変厳しい状況です。あそこは、お散歩ですとかジョギングの方、たくさんいらっしゃいます。憩いの場であるんですが、市民は芝生を歩いています、走っています。歩道が、歩きにくい、走りにくいんだよというお声を随分頂戴いたします。行ってみますと、きれいなグリーンの中に、獣道のように一本道が続いているという状況なんです。芝生も本当にきれいなんですが、そこのところだけ、真っすぐに道が開けてしまっています。 お金がないんだということもございます。昨年来、例えば、ふるさと納税が急成長しております。今基金に積み上げているということも、十分に承知しております。また、公営競馬というのも、帯広市にはございます。報道によりますと、また議会への御報告などもお聞きしますと、随分と売上げも増えていると思っております。市民の福祉に資するという、そういう大前提の目的がございます。 ぜひ、ここのところは市民に見える形での活用というのを求めておきたい。安全な歩道にどうでしょう。刷新するというのも、一つのまちづくりではないかと申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 DX化でございます。 御答弁いただきました。行政のデジタル化、これはマイナンバーカードの普及が鍵になるとも言われております。昨日も、この件に関しては議論がございました。 マイナンバーカードの交付率は、我が市においては33.3%とお伺いをいたしましたが、では、マイナンバーカードをお持ちになっている方の傾向については、つかんでいらっしゃいますでしょうか。 ○有城正憲議長 河原職員監。 ◎河原康博職員監 交付者の年代別の傾向については、帯広市独自では把握しておりませんが、総務省の調査によりますと、60歳から64歳までの交付率が49.2%と最も高く、ゼロ歳から4歳までの交付率が22.8%と最も低いなど、年齢が高い方の交付率がやや高い傾向にあるとは承知しております。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 令和4年、今年の2月1日、全人口に対する全国的な交付率は41.8%だと伺っております。帯広市においては、なかなか取得が進まないということでありますが、これ強制力はないんですね。このマイナンバーカードの有無にかかわらず、行政サービスを受けられる工夫というのも求められます。誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化ということでありますので、取得しない市民には厳しく、不利益があるということではならないと思います。 高齢者や障害者の方、また、市役所に足を運ぶことがなかなか難しい市民の皆さんをはじめとした全ての市民に、デジタル化の恩恵を受けていただくような取組みが求められます。マイナンバーカード、これがなくても利用できること、情報格差の解消が求められるのではないでしょうか。 そのための対策については、どのような検討があるでしょうか。カードの有無で、市民サービスに格差が生じることのないようにすべきだと思いますが、お考えを伺います。 ○有城正憲議長 河原職員監。 ◎河原康博職員監 マイナンバーカードを活用したサービスが増えていくことで、カードを所有していないことで利便性が劣る場面というのはあり得ると思っておりますが、サービスの本質的な部分が受けられないということは想定しておりません。 また、デジタル化が進んでも、基本的に文書での申請という手段も必要であると考えておりますし、幾つかある市の独自のオンライン手続でも、マイナンバーカードが不要であるものもありますことから、今後、そのような手続も増やしてまいりたいと考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) デジタルの部分と、それから従来の部分と、両方残していくということだと思います。そのような手続も便利になるということも、併せて進めていただきたいと思います。 オンライン申請など、これ、かなりコロナ禍の中で広がってきたと思っております。今後、ますます当たり前のことになってまいりますが、その中で、どこで帯広らしさ、オリジナリティーを出していくのか、民間事業所ですとか様々なリソースとともに研究を続けていくということも求められております。知識の活用やタッグで実現できる既存の市民サービスの向上、これにも期待したいと思います。 新たな取組みの創出の可能性についてのお考えを伺います。 ○有城正憲議長 河原職員監。 ◎河原康博職員監 デジタル技術の活用につきましては、様々な分野で民間事業者から提案を受けることも増えてきてございます。 費用対効果の観点を持ちながら、市で把握する課題とそれを解決するデジタル技術をマッチングさせることで、市民サービスの向上に努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) DX化と言いますが、デジタル化を、これ手段としてビジネスを変革していくこと、業務をデジタル化して労働環境を整備したら終わりではありません。デジタル技術、これも活用して住民本位の行政や地域社会を実現するプロセスであります。目指すは、評価、選択される自治体帯広。住民ニーズの先を行くような質の高いサービスの提供や魅力の向上が求められます。選ばれる自治体になるということ。今後、さらに自治体DXが推進されて、技術の導入によって市民の暮らしがよりよいものにならなくてはなりません。もちろん、そのことを目指しているという御答弁もいただいております。 効率化される、自動化されるということで生まれた時間を、今手の届かないところにリーチするなどして、行政サービス付加価値の向上に使うことにシフトしていくということだと思います。 行政手続のオンライン化、簡素化による職員の具体的な負担減によって創出される行政サービスの付加価値について伺います。 ○有城正憲議長 河原職員監。 ◎河原康博職員監 DXは、市民サービスの向上や行政の効率化を大きな目標としているものと捉えております。 デジタル化によって、簡単ではないとは思ってございますが、直接的に市民の利便性が向上することのほか、業務の効率化によって職員の負担が減少した部分を、市民とのコミュニケーションなど、人が行わなければならない業務に充てることによって、さらなるサービスの向上、こういったものにつなげてまいりたいと考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) おっしゃるとおりだと思います。その分を市民とのコミュニケーションやアウトリーチの時間などに振り替えることもできます。そうしたことで、行政との距離が近づくということも可能になってまいります。パソコンから離れて現場へ足を運ぶ時間、そういった機会が広がっていくということも大事だと思います。 ぜひ、このデジタル化することが住民福祉の向上につながるんだという、お答えいただきましたこと、これをしっかりと持って取り組んでいただきたいと思っております。 DXに寄せる期待と可能性は非常に大きいです。市民が主役のまちづくりは、地域コミュニティーから同じベクトルを持つコミュニティーへシフトしていくことで、これから道が開けていくのかもしれません。孤独と孤立から人をつなぐツールとして、相談やピアサポートや就労、こんなことをDX化によるサポートと実践が当たり前になっていく、そんな研究も今続けられております。デジタルとアナログを柔軟に結びつけて、使い分ける。これもまた忘れてはならないことだと思います。 帯広スタイルのDX化、こういって進むシンプルな行政手続でつながるきめ細やかなサービスの実現、これを目指して、ぜひ皆様取り組んでいただきたいと思います。こうなったらいいな、こうしてほしいなという市民の皆さんの思いですとかアイデアというのも、たくさんあります。それこそが、やはりこの帯広らしさの鍵になるのではないかと思いますので、ぜひその視点、そして取組みというのに期待を申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。 ダイバーシティーについてであります。 先ほど、2025年問題について御答弁をいただきました。その中で、高齢者一人ひとりが住み慣れた地域でということ御答弁いただきました。これから2025年が過ぎて、それから2040年に向かって、今も既に始まっていますけれども、高齢者だけではなくあらゆる市民、多様な市民についての部分に視点を移していくということが必要ではないかなと思いました。 先ほどの御答弁の中で、ケア会議を持っていたということがありましたが、ケア会議について、もう少し具体的にお伺いしたいと思います。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 地域ケア会議は、医療、介護の専門職や民生委員、町内会役員などとともに、高齢者の支援の充実や、それを支える地域社会の課題解決を図るため、開催しているものでございます。 これまでに話し合われました内容といたしましては、障害のある家族が親の介護をしている事例や、娘が一人で認知症やアルコール依存の問題がある夫婦の介護をしている事例、難病やがんなど病気を抱える家族を在宅で介護している事例などがございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 高齢者のケアのところから入り口としていろんなものが出てきたんだというお話でありました。 ケア会議の中で新たに浮かび上がる、そういった状況、それを支援が必要な状況だと思いますが、それをどのように捉えて、どのように関わって対応してきたのか、お尋ねいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 高齢者に関する相談に対応していく中で、その家族などが生活困窮や障害、ひきこもりなど、複雑で複合的な課題を抱えていることが浮き彫りになることがございます。 こうした場合には、高齢者のみならず世帯全体への支援が必要であるものと考えておりまして、状況に応じ、庁内関係各課や関係事業所などが連携して、それぞれ必要な支援につなげてきているところでございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 菊地ルツ議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) ケア会議の中から、少し糸口をたぐり寄せてのことだと思います。訪問から相談、それから現行の制度、今ある制度へつなぐなどされてきたんだと思いますが、今ある制度の中で対応し切れないことも、少なからずあったと思います。 どのようなケースが起こっているのでしょうか。お尋ねいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 アルコール依存の問題や精神疾患のある方など、本人に課題認識がない場合や、本人、家族が支援を希望しない場合では、医療など必要な公的サービスにつながりにくいケースなどの対応があります。 そのほか、あと親族等とも疎遠で、地域から孤立し身近に支援者がいないなどの事情により、解決までに時間を要するケースなどの対応があるところでございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 孤立がゆえに、つながりにくいということであります。 制度からこぼれ落ちる市民、どのように認識しているでしょうか。制度の限界というのをどのように実感されているでしょうか。お尋ねいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 制度のはざまで、すぐに解決することが困難な場合、継続的に見守り、つながり続ける伴走支援が必要なものと認識してございます。 また、支援が長期にわたる場合には、関係する部署や機関も状況に応じて変化していくことから、世帯全体の問題を切れ目なくコーディネートできる体制づくりが必要であるとも考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 今お答えにありました世帯全体ですね、そこのところを切れ目なくコーディネートする、切れ目のない支援、おっしゃるとおりだと思います。 高齢者支援を入り口として浮かび上がる御家族、すなわち家族介護者ですね、ケアラーの直面する課題というのが表面化してきたその経緯、状況というのが、お答えの中から今つかめたところでございます。 介護者支援については、市議会、委員会でも、度々老老介護、ダブルケア、老障介護、ヤングケアラー、若者ケアラーなどといった課題も取り上げられてきております。実態調査もされてきているんですが、介護をめぐる問題は、より一層深刻さを増すことが予想されます。 ケアラー支援の必要性については、第八期帯広市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の中で、第6章第2節地域の支え合いの推進において、介護者への支援と掲げられております。経済的支援、交流支援に取り組むと記されておりますけれども、これまでどのような支援をしてきたのでしょうか。お尋ねいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 具体的な支援といたしましては、家族介護者リフレッシュ事業や家族介護用品支給事業はじめ、民間の支援を活用しました認知症家族の集いなどに関わる周知の後方支援や、地域包括支援センターからピアサポーターへのつなぎなど、介護者の心身や経済的な負担の軽減につながるような支援に取り組んできてございます。 また、ケアマネジャーによる家族介護者等の介護負担や悩みなどに対する相談や、レスパイトケアにつながるよう生活支援コーディネーターから社会資源等の情報を提供するなど、サポートを行ってきているところでございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) できる限りのサポートしてくださっているということです。でも、ルールには限界がございます。課題について伺います。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 過度な負担を抱え、支援が必要な状態にもかかわらず、誰にも相談できず社会的に孤立している世帯等の把握や、そのような世帯を行政サービスや地域の資源に、どのようにつなげていくかが課題と捉えてございます。 今後、相談支援のさらなる体制の充実につき、引き続き検討を進めていきたいと考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) この地域だけではなくて、全国的に共通の課題であると思っております。 ケアは、高齢者に限定されるわけではありません。当たり前のことですが、慢性的な病気、障害、精神的な問題やアルコール、薬物依存というお話もございました。そのような課題を抱える親や祖父母、兄弟など、家族を日常的にお世話している18歳未満の子供の介護者をヤングケアラーといって、ここ数年、注目を集めるようになってまいりました。昔からあることではありますが、ケアを担う子供や若者への関心が少しずつ高まりつつございます。 ヤングケアラーとのインターフェースとしての役割を持つ、学校での対応についてお伺いいたします。 ○有城正憲議長 広瀬容孝学校教育部長。 ◎広瀬容孝学校教育部長 市内小・中学校において、児童・生徒が様々な悩みや不安があれば、いつでも誰にでも相談できるように、校内の教育相談とともに複数の目で見守り、声をかける体制を整えており、教育委員会では、各学校にこころの教室相談員やスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーを 配置するとともに、教育相談センターを開設しております。 今後とも各学校と教育委員会が連携しながら児童・生徒の不安や悩みの丁寧な把握に努め、それぞれの内容により関係課や関係機関と速やかに情報共有し、早期解決に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 学校での取組みについてお伺いいたしました。 なかなか、子供たちは家庭のこと、また病気のこと、こういうふうなことがあるというのは、相談に来ましたというのは、なかなかできません。生理の貧困のときも、相談受けるよというそのようなお話がございましたけれども、もう一歩踏み込んだ、アンテナというんでしょうか。こちらからぐいぐい行くというのもあれですけれども、アンテナをしっかりと張って、小さな気づきから、まず、どうだ、元気かというところから始まるつながりですね、そこのところから、ぜひ始めていただきたいと思います。 ヤングケアラーというのが、どういうものなのかということを学校の先生方、教職員の方にも知っていただくということも、まず必要なことではないかと思います。 今、介護の社会化と言われておりますけれども、介護、ケアについて知らない、したことがないという方が非常に多いということもございます。学校の教職員の方々が実際に自分が生きてきた中で、そういった経験があるのかないのかというのも、その気づきには大きく影響があると思います。ですので、そこのところも、ぜひ今後お考えいただきますようにお願いをしておきたいと思います。 ヤングケアラーヘの支援が急務と言われ始めました。この理由は学業や進学、就職、また恋もしてほしいです、将来への夢、体験の創出や、孤独、孤立、ここのところが一番大事だと思いますが、そこから脱出してほしいという、この必要性であります。 しかし、相談してねと待っているだけでは解決しません。家族間介護は、生活そのものであります。当たり前の日常であるがゆえに、名もなき家事、名もなき介護の中で、自分がヤングケアラーだという自覚はできないんです。 障害や病気の兄弟をケアする兄弟児も、またケアラーです。彼らの暮らしは、10人いれば10通りです。そして、何が問題なのか分からない、毎日の生活です。ちょっと困っているけど、でも何してくれるの、何があるの、制度もないし。 実際に御家族がいる時間は、ケアの対象にならないという制度の限界もございます。家族のための制度がない。レスパイトケアというのはありますが、そこが限界かなと感じております。家族は介護者という前提である制度、この中、どのようにして支えていけばいいのかというのが、大きな課題になっております。 ようやく国は、ヤングケアラー支援の必要性を認識して、そして支援に対して予算措置も始めております。市においても、ケアマネを対象に調査が実施されましたが、さらなるアクションを求めたいと思いますが、市のお考えを伺います。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 ヤングケアラーであるとの自覚がないことが、学業への支障や将来の進路等に影響を与えないよう、保護者や周りの大人が、ヤングケアラーについての理解を促していくことが重要であるとは認識してございます。 18歳未満の方も含む家族等の介護者への支援につきましては、関係部署、関係機関とこれまでも連携を図りながら、必要に応じて個別のケア会議を開催する中で、支援や対応について検討するなど、課題の解消に努めてきてございます。 引き続き、こうした関係機関との連携した対応を続けていくほか、今お話しありました国の支援に対する予算措置、そういった部分も開始しているという情報を注視しながら、市内のヤングケアラーに関する情報の収集を図りながら、必要な支援につなげることができるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 北海道も、ケアラー支援条例を本議会でつくりますね、そして来年度は計画をつくると伺っております。 国は、ヤングケアラー、また若者ケアラーへの支援として、今おっしゃいましたように新年度につきましても、集中取組み期間として新たな事業をつくっています。社会的認知度の向上、これ非常に大事です、お答えにもございました。また、実態調査や研修、当事者団体や支援団体のネットワークづくり、これに対する支援を行うと国は明らかにしております。 自治体にできることというのは調査ですね、さらなる調査、また拠点づくり、相談支援、アウトリーチ、アセスメント、具体的支援と続いていきますけれども、全世代調査によってケアラー自身の状態、また現在と未来への不安など、全体像が浮かび上がるような調査は必要であると思います。ぜひ実施を求めたいと思います。 現状、市が実施したケアマネの調査結果は、ヤングケアラーが2名という結果でありました。この数字から何を読み取りますでしょうか。まず、行動していただきたいと思います。第一歩から踏み出していただきたい。 孤独の中にあるたくさんのケアラー、ヤングケアラーだけではないと思います。いろんな方からつないでいくということ、始めていただきたい。既に始めていらっしゃると思いますけれども、さらなる一歩をお願いしておきたいと思います。 次に、ビジネスケアラーについてであります。 誰が介護するのかということも、これも問題であります。要介護認定者の増加に伴って、当然のことながらケアラーも増加しているということです。まして施設介護から在宅介護にシフトしていると。そして、それに対する社会資源も、この11年間ですか、随分と充実したなと私も感じております。 厚生労働省の国民生活基礎調査によりますと、介護者の5割強は同居している家族、そしてそのうち65%が女性だそうです。75歳以上になると、要介護認定がぐっと増えるんですね。50歳から64歳というのは、その親御さんがちょうど75歳以上になる年代なんです。子供の世代がその世代ということなんですね。この年齢層でのビジネスケアラーの介護離職者が多くなるのは納得するところです。 ここ数年この介護離職は年間10万人と、横ばいだということでありますけれども、毎年10万人のペースで増え続けていると、そういった情報もございます。 市の現状は把握しているでしょうか。介護休暇の取得状況ですとか、制度がどのように広がっていくのか、市内の事業所の調査結果も毎年していらっしゃると思いますが、どのようになっているでしょうか。また、介護離職については、把握していらっしゃるでしょうか。お尋ねいたします。 ○有城正憲議長 河原職員監。 ◎河原康博職員監 市の職員の介護休暇の状況についてお答えしたいと思います。 市の職員には、介護休暇と短期介護休暇というものがございまして、1つ目のほうは、最大6か月間取得できるものでございますが、令和2年、令和3年の取得実績はありませんが、直近では令和元年に1名の職員が取得してございます。 もう一方は、年間5日間取得できる制度になっておりますが、令和3年に延べ30日取得されてございます。 以上です。 ○有城正憲議長 相澤充経済部長。 ◎相澤充経済部長 市内事業者の関係についてお答えいたします。 事業者における状況は、令和2年度の事業所雇用実態調査によりますと、回答のありました555事業所のうち、67.5%が介護休業制度を導入しており、介護保険制度が導入された直後では、休業制度の導入率は2割強であったのに比べ、制度の導入が進んできております。 介護離職につきましては、厚生労働省の令和2年雇用動向調査によりますと、全国で常用労働者の0.1%となっておりますが、地域ごとのデータがなく、把握してございません。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) なかなか把握されにくいものだと思っております。 離職するにしても、介護が理由ですとおっしゃる方はあまりいないんじゃないかなと思います。なかなかそこのところが、まだまだ社会的な理解というのも進んでいない表れではないかなと思います。 先ほど常用労働者の0.1%が介護離職ということでありました。具体的なニーズがどれぐらいなのかというのは、お答えがございませんでしたけれども、2021年の厚労省の調査の中で、平均就業者数、これは常用、それからパートなんかも一緒ですけれども、こちらの全体の人数が6,667万人と出ておりますので、ここの0.1%としても、相当な人数だということが推測できると思います。 それから、介護離職と出産、育児を理由とする離職率という調査がございました。そこの離職した方の傾向を見ますと、結婚、出産、育児を理由とする離職率を見ますと、25歳から34歳が高くなってございます。そして、介護や看護を理由とする離職率のところを見てみますと、女性は20歳から24歳、それから45歳から59歳、ここが特に高くなっております。それに対して男性は、40歳から44歳、また60歳以上で、ここ非常に性差で違いがあるんだなというのが、非常に興味深く拝見したところであります。 しかし、年代的に働き盛りの方々がこうやって数字に出るのは少ないですが、これだけの方が理由として挙げているという現実がございます。決して対岸の火事ではない、人ごとではないということを認識していただきたいと思います。 仕事に就きながら、また学業を続けながら介護を行う若者ケアラー、ビジネスケアラー、ワーキングケアラーとも言うそうです。この言葉については、まだそれほど認識が広がっていないかもしれません。労働人口減少、それからビジネスケアラーの増加、この2つの課題とどう向き合うのが問われると思います。 ビジネスケアラーについても、ヤングケアラーについても、なかなかこれは表には出てこないことだと思います。昨日は1時間しか寝れなかったんだよということを言いながら、仕事をする人はいないと思います。ですので、そこのところが問われるんだなと思うんですね。 あと数年で2025年になりますので、日本は、超高齢・少子社会というのがいよいよ本番を迎えるということでありますが、今多くの企業が人事戦略として取り組んでいるのがダイバーシティーですね、多様性の推進であります。多様な人材を受け入れるということは、様々な困難を持った方たちもしっかりと受け入れていくんだと。仲間として受け入れて、一緒に仕事をして暮らしていくんだということであります。そのことが、イノベーションを生み出すことにつながるとも言われているんですが、仕事と子育て、介護の両立を支援する法律も、順次施行されております。 株式会社LIXILでは介護中の管理者に調査をいたしました。介護に係る物理的な負担や心理的な負担、これつらいと感じている割合は57.9%に達しているそうです。管理職の方でしっかり働いている方ですね、しかし、介護支援制度を使わない、離職もしないで仕事を続けている。これは、まずはお金ですよ。収入を減らすわけにいかないんだ。介護にもお金がかかります。生活もしていかなきゃいけないということです。その切実な現実、これがある一方で、知られたくない、職場に迷惑をかけたくない、自身のキャリアにマイナスの影響が及ぶんじゃないかという懸念、これはやはり社会の無理解が生んでいるものだと思います。その現実を、ほとんど事業所側が正確に理解していないということではないでしょうか。 このような現実については認識していますでしょうか。課題として共有して、解決するように動かなくては間に合わないんじゃないでしょうか。お考えを伺います。 ○有城正憲議長 相澤経済部長。 ◎相澤充経済部長 制度の導入が進む一方で、制度を利用しやすい職場の環境づくりが重要と認識しております。 国は、介護休業を含む様々な休暇制度の取得促進やハラスメントの防止のため、育児・介護休業法を改正し、事業者に対し相談体制の整備などを義務づけ、職場環境の整備を求めており、今年の4月からは、中小事業者においても義務化されるところであります。 帯広市といたしましても、事業者雇用実態調査の際に、法改正の内容などについて事業者へ情報提供するなど、周知啓発に取り組んでいるところでございます。 以上です。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) そうですね、周知啓発、非常に大事だと思います。表には出てこないビジネスケアラー、実は私も市議会議員になったとき、3人の両親を在宅で介護しておりました。介護保険を使いながら仕事も続けてきたわけですけれども、最初立候補するときに、家に3人も介護しなきゃいけない人間がいるのに、市議会議員の仕事なんかできないと思われるから、内緒にしなさいと、私にアドバイスをしてくださった方がいらっしゃいました。そうでしょうか。いろんな力を使って、いろんなところにつないで、そして自分のやる仕事、自分の人生もしっかりと実現していく。そういう社会をこの地域でしっかりとつくり上げていく、システムをつくり上げていくということが、非常に重要ではないかと思うんですね。 そのためにはまず、そこのところを理解していただく。偏見とまでは言いませんけれども、介護をしている、それから例えば、がんや難病になっている方たちが普通に社会生活を送り、仕事もしていくということは、これはわがままなんでしょうか。欲張りなんでしょうか。私は、そうは思いません。それが実現できる社会こそが、ダイバーシティーではないかと思うわけです。 帯広市では、子育て応援事業所促進奨励金、これによって育児休業の取得と職場復帰を支援しております。ほかの自治体では、介護休業の取得、いろいろと、例えば職場復帰、がんや難病患者さんの復帰、就労を支援する事業所への補助金を支給しているところもございます。帯広市も、同様な取組みをしてみてはいかがでしょうか。お考えを伺います。 ○有城正憲議長 相澤経済部長。 ◎相澤充経済部長 お話にございました介護休業につきましては、長期にわたるケースもございまして、職場復帰できる時期が見通せないなど課題もありますことから、他都市の事例も参考に調査研究してまいりたいと考えてございます。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 今お答えにありました。職場復帰できる時期が見通せないなど課題もある。これはケース・バイ・ケースであります。介護は大変、がんや難病になったら、治療があるから仕事できない、もう駄目よ。こういうような言葉にならない空気があるんではないでしょうか。無意識の思い込み、これもアンコンシャス・バイアスではないかと、私は考えております。 若い世代にも、難病やがんと生きているサバイバーがたくさんいらっしゃいます。でも、それは表には出てきません。それを表に出さずに仕事をしているということであります。これを解消することで、多様な市民が居心地のいいまちになれるんだ。そして、そういうことを、今までのやり取りから強く感じるところであります。 ヤングケアラー、ビジネスケアラー、8050問題のひきこもり、生活困窮者やがんサバイバーなどに代表される疾病と後遺症、障害者など、多様な市民の需要と社会参加への道筋については、どのようにお考えでしょうか。お尋ねをいたします。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 国におきましては、制度、分野ごとの縦割りや支え手、受け手という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参加し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域を共につくっていく地域共生社会の実現を目指しているものであります。 帯広市におきましても、地域共生社会の考え方を踏まえ、高齢者に限らず市民一人ひとりが、お互いに支え合い、健康で生きがいを持ち、安心して暮らすことのできるまちを目指し、様々な部署や機関が連携した包括的な支援や生活支援の体制づくりなどに取り組んでまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) 今お答えになっていただいたことが、2040年問題に向かっての課題解決の道筋であるとお聞きをしました。まさにそのとおりだと思います。 国では社会的処方を、孤立という病を地域のつながりで解決するための鍵として、制度の中に盛り込んでいくという議論が始まっております。高齢者だけではなく、むしろ若い世代にこそ問題は深く、医療や福祉とつながる接点が少ない現状がございます。地域資源との橋渡し活動、ここが社会的処方の肝であります。リンクワーカーという存在が肝、重要であるとも言われております。 では、誰がリンクワーカーの役割を担うのでしょうか。市の認識、それからお考えを伺います。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 孤立に対する支援といたしましては、地域包括支援センターや民生委員による訪問はもとより、ライフライン事業者や民間事業者、警察などの関係機関のほか、近隣住民など地域全体での見守りが重要であるものと認識してございます。 また、地域での支え合いの取組みといたしまして、現在、生活支援コーディネーターを中心に、地域住民が地域の困り事やニーズの把握、支え合いの手段等について検討を進めているところであります。 今後もこういった様々なネットワークを活用して、社会的に孤立している世帯の把握、支援を進めるほか、広報おびひろ等を活用した地域住民への意識啓発等を行ってまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) ぜひお願いしたいと思います。誰もがプレーヤーになるということだと思います。 今お答えにありました様々な、民生委員さんですとか、それから警察官の方、民間事業者さんなどもありますが、やはり近隣住民など、地縁だけではなく、いろんなつながりということだと思います。 また、ピアサポーターの役割、これも非常に大きいですね。社会的な処方、これは制度としてがちがちにするものではなくて、地域性に沿う形、お土地柄にしていく視点が非常に重要ではないでしょうか。全ての世代を包括した、重層的という言い方もありますが、その支援、切れ目のない支援、その仕組みの構築は必須であります。全ての世代ですね、このところだと思います。 市民福祉部を新設した理由というのは、地域共生社会、社会福祉分野の連携と推進のためとホームページに書いてありました。地域共生社会って市民福祉部でやるんだよねということでは、永遠に課題の解決はできません。ケアラー支援は、全庁、全市で対策をしなければできるものではないと思います。 支える人を支えるためのケアラー支援の担当部署の協議会、いろんな名前があると思いますが、横串を刺すとよく皆さんはおっしゃいます。でも、日常的にケア会議で横串を刺すだけでは、もうとても賄い切れないものではないかと思うんですね。 危機対策課も誕生しました。地域包括ケア課というのは、今はしっかり出来上がっていますけども、過去にはそれを立ち上げた経過もございます。 地域共生社会と包括的支援の果たす役割は非常に重く、市民福祉部だけで完結するものは不可能であると思いますが、いかがでしょうか。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 包括的な支援体制に向けましては、福祉部門での相談、それだけではなく、市税や料金等に関わる納付相談などの様々な行政相談の中で、誰にも相談できない過度な介護の負担を抱えている状況などを把握した場合には、現在も全庁横断的に情報共有を図りながら相談支援につなげて、市民に寄り添った対応となるように努めてきてございます。 今後も引き続きこういったことで、市民福祉部だけでなく全庁連携しながら対応していきたいと考えてございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 菊地議員。 ◆9番(菊地ルツ議員) ぜひお願いしたいと思います。今お願いしたからといって、すぐにそれが立ち上がるということではないというのは十分に承知してございます。 しかし、介護は、18歳になったから終わるわけではありません。続いていく。いつ終わるか分かりませんけれども、一度終わっても、また繰り返し訪れるものでありますし、自分自身がケアされる立場になるというのも、いつになるかは分からないということです。 ヤングケアラーから若者ケアラー、仕事を持って介護するビジネスケアラー、そして高齢者ケアラーとなり、子育てと介護や疾病や障害など同時進行するダブル、トリプルケアラー、老老介護や老障介護など、全ての世代にケアラー、支える人が存在しています。 今国の法律がない現状ですけれども、その中で自治体からケアラー支援条例といったものが次々と生まれております。北海道は3月議会で条例制定、次年度に計画策定と先ほども申し上げましたけれども、厚生委員会でも、このことについてはやり取りをさせていただきました。そのときに、帯広にも条例が欲しいなと私申し上げましたが、帯広は条例なくてもやることはやるんだと、必要なことはやりますという、実に心強い答弁がございました。 期待を申し上げまして、早急に取組みをスタートすることを求めて、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○有城正憲議長 以上で菊地ルツ議員の発言は終わりました。 ここで会議を休憩いたします。         午後2時53分休憩         ────────         午後3時15分再開 ○有城正憲議長 再開いたします。 次に、藤澤昌隆議員から発言の通告があります。 13番藤澤昌隆議員、登壇願います。   〔13番藤澤昌隆議員・登壇・拍手〕 ◆13番(藤澤昌隆議員) それでは、通告に従いまして、順次質問をさせていただきます。 まず初めに、「みどりの食料システム戦略」と本市の取組みについて伺います。 政府は2月22日、自然環境に配慮した農林水産業の推進を目指して、みどりの食料システム法案を閣議決定いたしました。化学農薬を使わない有機農業に取り組む生産者や、環境負荷が少ない技術開発を進める食品業者の認定制度を創設し、税金を軽減するなどして支援をすることが柱であります。農林水産分野の生産向上も掲げ、今国会で成立させ、年内に施行したい考えであります。 それに先立ち、農林水産省は昨年5月にみどりの食料システム戦略をまとめ、持続可能な農山漁村の創造、サプライチェーン全体を貫く基盤技術の確立と人材育成や未来技術への投資、森林、木材のフル活用によるCO2吸収と固定の最大化、昆布など海草や藻場を活用したCO2吸収のブルーカーボン、雇用の拡大、地域所得の向上や豊かな食の実現に向け、調達、生産、加工、流通、消費の分野できめ細かく具体的な取組みを行うことにより、食料、農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現することを、2050年までの中・長期にわたる目標を、KPIの手法を取り入れながら目指す戦略となっています。 令和2年10月26日の菅前総理の所信表明演説で、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする。すなわち、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言。令和3年1月18日の菅前総理の施政方針演説では、環境対策は経済の制約ではなく、社会経済を大きく変革し、投資を促し、生産性を向上させ、産業構造の大転換と力強い成長を生み出す、その鍵となるものですと演説。 カーボンニュートラルは、単にCO2をゼロにすることが目標ではなく、産業構造の大転換と力強い成長を生み出すことが、最大の目的であることが示されました。その鍵を握るのが、このみどりの食料システム戦略であります。 農水省が、このみどりの食料システム戦略をつくるに当たり、課題となった点が幾つかあります。それはまず、最近の温暖化による気候変動や自然災害が増加しており、また、降雨量の増加等により、災害の激甚化は農林水産業に多大な被害を及ぼしていること。こうした状況は、一日も早く改善しなければならないこと。農林水産分野における温室効果ガスの排出量は4,747万トンで、日本全体の4%ほどですが、その大半は、水田、家畜ふん尿や家畜のげっぷなどが大半を占め、そして農機具の排出ガス等で占められていること。新型コロナウイルスを契機とした生産、消費の変化では、穀物輸出国において輸出制限が行われるなど、サプライチェーンに混乱が生じました。 食料生産を支える肥料原料やエネルギーは、ほとんどが輸入に頼っており、リンやカリウムは100%輸入であること。また、地球の限界、プラネタリー・バウンダリーという考え方では、人間が活動できる範囲にとどまれば、人間社会は発展し繁栄できるが、境界を超えることがあれば、人間が依存する自然資源に対し回復不可能な変化が引き起こされると言われており、9つの環境要素のうち、種の絶滅の速度と窒素、リンの循環については、不確実性の領域を超えて高リスクの領域にあり、また気候変動と土地利用変化については、リスクが増大する不確実性の領域に達していることなどの課題が指摘されております。 さて、海外の農業では、環境と経済を両立させる方向へと向いております。EUでは、2020年5月にファーム・トゥ・フォーク戦略を発表しました。目標は2030年で化学農薬の使用量と、リスクを50%削減、食料廃棄物を50%削減、肥料の使用を少なくとも20%削減、家畜及び養殖に使用される抗菌剤を50%削減、有機農業に使用される農地を、EU内で少なくとも25%を達成するなど、非常に高い目標を掲げております。 アメリカのバイデン大統領も2021年1月に、アメリカの農業は世界で初めてネットゼロエミッションを達成すると宣言しております。パリ協定に復帰し、化石燃料補助金の廃止を訴え、気候スマート農法の採用奨励など、次々と動き出しております。 そして日本では、さきにも述べましたが、菅前総理は、2050年カーボンニュートラル宣言を発表し、この関係でグリーン戦略を発表しており、食料、農林水産業分野におけるみどりの食料システム戦略は重要な位置づけとなっております。 そこで質問いたします。みどりの食料システム戦略は、中・長期的な観点から調達、生産、加工、流通、そして消費の各段階の取組みをカーボンニュートラルなどの環境負荷軽減のイノベーションを推進、取り組むこととなっております。このみどりの食料システム戦略は農林水産業分野において、とてつもない挑戦であります。特に十勝農業は、大規模農業として先駆的な取組みを行っていますが、農業分野におけるカーボンニュートラルと環境負荷軽減は、十勝の農業においても大きな課題となることは間違いありません。しかし、世界の流れの中でEUや米国などの取組みを見ても、十勝の農業がこのままでいいということにはならないと思います。 帯広市として、この幅広いみどりの食料システム戦略、特に農業分野における取組みを、さらにはCO2のゼロエミッション化の実現に向けて、市長の考えをお聞かせください。 また、国が示す基本方針に沿って都道府県、市町村が基本計画を策定することとなっております。そのロードマップをお示しください。 次に、障がい者に優しいまちづくりについて伺います。 帯広市は、障害のある人もない人も、子供から高齢者まで全ての人が共に暮らし、共に生きることができる社会こそが普通であるというノーマライゼーションの理念の下、まちづくりを進めてきました。そして、市内の4つの地区を推進地区に指定し、それぞれ独自の取組みを実施していただいております。 私も、よく大正地区のふれあいまつりに参加させていただきましたが、コロナ禍の中で、ここ2年ほどふれあいまつりは中止となっていて、とても残念であります。 2016年3月28日に、待望の帯広市手話言語条例が可決、成立をしました。その3日後の4月1日には、障害者差別解消法が施行されました。振り返りますと、2006年12月に国連総会において障害者権利条約が採択され、障害者の社会モデルを理念とし、条約を批准した国々に対して、障害を理由とする差別の禁止と合理的配慮を求めました。日本では、2007年に障害者権利条約に署名した後、その批准に向けて国内法を整備、2011年には障害者基本法が改正され、合理的配慮の概念が盛り込まれました。その後、障害者虐待防止法も成立、2013年には差別の禁止の内容を具体化した障害者差別解消法や、雇用における障害者差別を禁止した改正障害者雇用促進法が成立、この2つの法律は共に2016年4月に施行されました。 社会においては、障害者に対する様々な不都合や差別的なことが見え隠れしておりましたが、この流れの中で徐々に障害者の方々も、尊厳を持って暮らしていける社会に変わってきたのではないかと思います。 さて、帯広市は4つの地域をノーマライゼーション推進地区として、それぞれ独自に活動を進めております。帯広市が目指すノーマライゼーションとはどういうものなのか、伺います。また、障害者差別解消法が昨年5月に改正になりました。以前の法律と何が変わったのか、御答弁願います。 最後に、がん患者の尊厳を守るための質問をさせていただきます。 令和4年度の本予算に、HPVワクチンのキャッチアップ接種の予算1,960万3,000円が計上されました。審議はこれからでありますが、公明党会派として大いに評価いたしますとともに、市長のスピード感のある対応に感謝いたします。 私も今年の1月に、厚生病院の産婦人科の服部先生と懇談させていただく機会がございました。服部先生も、この子宮頸がんワクチンの推進、非常に力を入れておりました。非常に感銘を受けたところであります。がんを予防できる唯一のワクチンでありますので、市民の方には正確な情報の周知を改めてお願いいたします。 さて、帯広市がん対策推進条例が制定されて丸3年になろうとしております。当時、私も条例制定の委員として実りある議論を交わし、非常によい条例の制定ができたものと自負しております。私自身が、家族ががんで8年間闘病した経験を通し、治療の大変さはさることながら、そのがんを患った家族を介護する大変さも実体験として経験をしました。また、がんの治療薬は年々進歩しており、その説明も病院から直接聞いておりましたが、しかし、本人の諦めないという心があれば、必ず乗り越えられる。そう感じた8年間でありました。 帯広市がん対策推進条例の前文の後半にある、がんにならない、がんに負けない、がんになっても尊厳をもって安心して暮らせる社会を作り上げるためという文言は、前文として非常にすばらしい文章でありますが、がん患者が日々暮らしている中で、尊厳や生きがいというのをどう感じ取れるかということは、決して人から与えられるものではありませんが、条例の精神は、この言葉に尽きるのではないかと思います。 がん治療で行われる抗がん剤治療では、その副作用によっては様々でありますが、真っ先に上げられるのは脱毛、そして吐き気、嘔吐、食欲不振の順に上げられます。特に脱毛はほとんどの人に出る症状で、抗がん剤投与から二、三週間ほどで徐々に抜け始めます。乳がんで乳房をなくした女性が、いみじくも言っていた言葉が今でも頭の中に残っておりますが、乳房がなくなるより、髪の毛がなくなることが一番のショックとの言葉は、経験をした人しか分からないと思います。特にAYA世代の女性や子供は、その外見を一番気にする年頃であります。 医療用ウィッグの勉強会で聞いた話ですが、小児がんの女の子は、治療で髪の毛が抜け落ち、いつも帽子をかぶって、いつも下向きがちだったそうでありますが、しかし、その子に合わせたウィッグをつくってあげたところ、学校に行くその顔に笑顔が戻ったという話を聞きました。たったそれだけのことが、その子にとっては大きな変化となったのであります。 帯広市がん対策推進条例第12条には、がん患者等の療養生活の維持や社会生活上の不安等の軽減に資するため、緩和ケア、就労等に関する適切な情報提供その他の必要な施策を講ずるよう努めるものとする。と書かれております。 いみじくもお隣の音更町では、令和4年度の予算で医療用ウィッグや補整下着などの購入費に対する助成制度を、1人1回2万円を上限に、3分の1補助する予算を計上したことが地元紙に載っておりました。北海道では初めてのことであります。他の先進事例を見ても、おおむね2万円から5万円の上限で、1人1回の助成が受けられるような制度となっております。 音更町は2万円の予算、人数は15人として30万円の予算から出発をいたしました。帯広市も人口比から行くと約4倍、上限を2万円とすると、仮に60人としても120万円の予算であります。アピアランスケア、外見ケアは、その人の生きがいを生みます。生きる喜びが湧いてきます。前向きになります。病気に立ち向かえます。これこそが前文に書かれている、がんにならない、がんに負けない、がんになっても尊厳をもって安心して暮らしていけるものと確信いたします。 アピアランスケアに対する助成制度を、帯広市がん対策推進条例にのっとって検討すべきと考えますが、市長の考えを伺い、1回目の質問といたします。 ○有城正憲議長 米沢則寿市長、登壇願います。   〔米沢則寿市長・登壇〕 ◎米沢則寿市長 藤澤議員の御質問中、みどりの食料システム戦略についてお答えいたします。 国は昨年5月、食料、農林水産業分野の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるため、中・長期的な観点から戦略的に取り組む方針として、みどりの食料システム戦略を策定しました。 十勝・帯広でも、担い手の減少、高齢化や気象変動に伴う収量や品質の低下といった課題に対して、本戦略の取組みを効果的に推進することで、持続可能な生産体制の確立につながり得るものと認識しております。 一方で、農業分野におけるCO2ゼロエミッション化の実現に向けては、大規模土地利用型農業を展開する当地に適した生産技術体系の整備、普及はもとより、生産者の理解促進が必要となります。その足がかりとして、現在進めている環境に配慮した農業の普及促進に、着実に取り組んでいくことが重要であると考えております。 帯広市では、これまで耕畜連携による良質な堆肥を活用した土づくりや、減肥、減農薬の推進などにより、環境負荷の低減を図ってきております。また、再生可能エネルギーの利活用に向けたバイオガスプラントの建設をはじめ、リモートセンシング技術を活用した可変施肥による肥料使用量の低減なども進めており、こうした動きは、農畜産物の生産性向上や高付加価値にもつながるものと考えております。 今後も新たな技術開発などの動向を注視しながら、生産者や農業団体、関係機関などと連携し、環境に配慮した取組みを推進することで、力強く持続的に発展する地域農業の実現につなげていく必要があると考えております。 私からは以上であります。 ○有城正憲議長 池守康浩農政部長。 ◎池守康浩農政部長 御質問中、みどりの食料システム戦略の市町村計画についてお答えいたします。 国は今国会に、環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律案を提案しております。この法案は、環境と調和の取れた食料システムの確立に関する基本理念を定めるほか、環境への負荷低減を図るために行う事業活動等を促進する内容となっております。 地方自治体の基本計画につきましては、将来にわたり農林漁業及び食品産業の持続的な発展並びに住民に対する食料の安定供給の確保を図るため、地方自治体の自然的、経済的、社会的諸条件に応じた施策を策定し、実施する責務を有することとしております。 ロードマップにつきましては、法案成立後に国の基本方針が示され、北海道や市町村が共同で基本計画を作成していくことと想定されますが、スケジュール等については、現時点では未定でございます。 以上です。
    ○有城正憲議長 下野一人市民福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 御質問中、最初に帯広市が目指すノーマライゼーションについてお答えいたします。 障害のある人などが特別視されることなく、一般社会の中で普通に生活するために、誰もが当たり前に必要な配慮と支援ができる人にやさしいまち、人がやさしいまちの実現を目指してきてございます。 次に、障害者差別解消法の改正点についてお答えいたします。 今回の法改正におきましては、障害者差別解消の取組みを社会全体で進める観点から、障害のある人の活動を制限し社会参加を制約している社会的障壁の除去に向け、必要かつ合理的な配慮の提供につきまして、これまでは努力義務でありました民間事業者に対しましても、義務化されたものでございます。そのほか、国及び地方公共団体の連携協力の責務の追加と、障害を理由とする差別を解消するための支援措置の強化について盛り込まれ、令和3年6月4日に公布され、3年以内に施行されるところでございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事。 ◎五十嵐ゆかり市民福祉部保健医療担当参事 御質問中、アピアランスケアについてお答えいたします。 アピアランスケアは、外見の変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケアであり、その重要性は認識しております。 国においては、これまでの調査や研究において、がん患者や医療者においてアピアランスケアの認知度が低いこと、適切な情報が得られていないこと、業者による適切な介入が重要かつ効果的であることなどが示されているとして、研修などを行ってきているところであります。 他都市では、費用助成のほか、ウィッグのレンタルや相談先を情報発信するなど、様々な方法で取り組んでいることを確認しており、帯広市では、今年度は患者会と協力し、がん経験者の写真展や乳がん患者の入浴着の展示などの情報発信、入浴着をつけて温泉に入る活動に保健師も参加するなど、患者会の活動ヘの理解を広げる取組みを行っております。 国が指定する地域がん診療連携拠点病院においては、業務の一つとして、がん患者の療養生活に関する相談が位置づけられており、十勝では帯広厚生病院が指定されております。 こうした拠点病院や患者会との連携の下、アピアランスケアの現状について把握し、必要な取組みについて考えてまいります。 以上であります。 ○有城正憲議長 藤澤昌隆議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) それぞれありがとうございます。 それでは、みどりの食料システム戦略について伺います。 2問目は、化学農薬や化学肥料の低減に向けた取組みということで伺いたいと思います。 本当は、中谷会長がおられますので、直接声を聞きたいなと思っていましたけれども、通告をしておりませんので、次回にぜひとも質問させていただきたいと思います。 環境負荷を低減し、持続可能な農業生産を確保するためには、化学農薬の使用による外部影響の低減が必要と言われております。スマート防除技術の活用や、リスクの高い農薬からリスクの低い農薬への転換を段階的に進めつつ、化学農薬のみに依存しない総合的な病害虫管理体系の確立、普及を図る、このように言われておりますけれども、その目標は、2040年までにネオニコチノイド系農薬を含む、従来の殺虫剤を使用しなくても済むような新しい農薬等の開発により、2050年には化学農薬使用量、リスクの換算で50%を削減する、これが目標であります。 そこで伺います。 現在、このネオニコチノイド系農薬はどのぐらい使われているのか、また、このような化学農薬に依存しない病害虫管理とは、どのような手法が考えられているのか、伺います。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 市内2農協によりますと、現在取り扱っている農薬は66種類あり、ネオニコチノイド系農薬の使用量は把握してございませんけれども、12種類が該当すると伺っております。 議員からもお話がございましたが、戦略では、従来の殺虫剤を使用しなくても済むような新規農薬の開発により、2050年までに50%低減を目指すとしてございます。 現状、化学農薬に依存せず行う病害虫管理手法につきましては、総合的病害虫・雑草管理というものがございます。この手法は、病害虫、雑草対策として利用可能な技術を経済性を含めて検討し、総合的に組み合わせて防除するもので、化学農薬を否定しているものではございませんけれども、それ以外の技術を導入することで農薬の使用を最適化し、人の健康に対するリスクや環境への負荷を最小限に抑えるものでございます。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) 次に、化学肥料についても伺いたいと思いますけども、日本はリンやカリウムのように100%輸入に頼っている肥料もあります。 みどりの食料システム戦略では、輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を2050年までに30%低減する、このような目標を掲げております。 このように掲げられた目標に対して、どのような取組みが考えられるのか、お答えいただきたいと思います。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 減肥の取組みといたしましては、堆肥の施用や緑肥のすき込みなど、有機物を活用した土づくりを行うことが必要ですが、過剰な施肥を避けるため土壌分析を行い、それぞれの圃場に含まれる肥料成分を把握し、適量施用することで化学肥料の使用を抑えられるものと認識をしております。 しかしながら、化学肥料を減らすことが、収量の減少につながるのではないかと不安に感じる生産者も多く、安心して栽培できる技術の確立が必要と考えているところでございます。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) そこでなんですけれども、化学農薬や化学肥料の低減に向けた取組みの中で、有機農業の取組みの拡大があります。有機農業とは、化学肥料や農薬を使用せず、また遺伝子組換え技術を利用しないことを基本とする農業であります。農業議員もおられますので、これはもう本当に釈迦に説法かもしれませんけれども、それは単に無農薬野菜をつくるということだけが目標ではなく、環境への負荷を限りなく少なくし、自然循環機能を増幅させる効果も期待できると言われています。 今、スーパーや小売店などの野菜売場を見ても、有機野菜と書かれたシールが貼ったものを目にすることが多くなりました。有機野菜は、そういう専門店でしか取り扱われなかったようなときもありましたが、今はどこでも目にするようになりました。 化学肥料の低減に向けては、化学肥料に代わる有機肥料への転換がありますが、今、日本の農地の中でこのような有機農業を営んでいる農地は、2017年度で2万3,500ヘクタール、日本の全農地面積の0.5%にしかすぎません。しかし、その有機農業に携わる農家さんは増えていると言われております。 みどりの食料システム戦略では、2050年までにオーガニック市場を拡大しつつ、耕地面積に占める有機農業の取組みの面積を25%の100万ヘクタールを目指すと言われております。その中期目標でもあるのが、2030年は6万3,000ヘクタールと言われております。 そこで伺いますが、まず、この十勝において有機農業を営んでいる農家はどのぐらいあるのか、伺いたいと思います。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 十勝総合振興局によりますと、十勝で有機JASの認証を受けている生産者は、昨年5月の時点で37戸、農業経営体の0.7%となっているところでございます。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) それでは、オーガニック市場は、帯広市においてはどのような状況にあるのでしょうか。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 スーパーなどでは、有機野菜や有機食品などのコーナーが設置されており、消費者は目にする機会が増えてきており、オーガニックが身近に入手しやすくなったと感じております。 帯広市では、学校給食におきましても、市内農業者が栽培したタマネギやニンジンなどの有機栽培野菜を取り入れているほか、有機でつくられた農畜産物や加工品の販売をはじめ、パネルトークや講演会などを行うイベント、十勝オーガニックヴィレッジ大収穫祭が開催され、生産者と消費者の交流やオーガニックの地産地消などの取組みが行われており、オーガニック市場の拡大が徐々に進んでいるものと認識をしております。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) それでは、この有機農業に関わる技術は、昔に比べるとかなり確立されていると思います。 その上で、有機に関わる技術はどのぐらい進んできたのでしょうか。伺いたいと思います。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 農研機構などが栽培技術を公表しておりますけれども、野菜や果物などを対象とした技術が多く、その中から畑作4品の輪作体系に合う技術を選択していく必要があるものと捉えております。 生産者からは堆肥や緑肥を施用した土づくりや、病気が発生しないよう畝幅や株間を広く栽培する疎植栽培、害虫侵入防止ネットの利用などの技術を取り入れていると伺っているところでございます。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) それでは、この有機農業の取組み、面積の拡大に向けて、本市のお考えを伺いたいと思います。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 有機農業の現状につきましては、生産工程において多くの労力を要する技術であり、輪作を基本とする当地の大規模畑作地域において、慣行農業から有機農業へ転換するには、実践技術の体系化や省力技術の開発のほか、農業者の多くが取り組むことができる新たな生産技術体系の確立などが必要となるものと考えております。 国による様々な技術開発が進んでいく中で、農業者をはじめ関係機関などとも十分協議をしながら、当地に合った技術の導入を検討していくことが必要だと思っております。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) やはりこの十勝・帯広の畑作という部分に注目されがちでありますけれども、酪農においても、これは御存じのとおり、有機農業が行われております。 例えば、これ興部町の話でありますけども、有機の牧草のみを放牧で食べさせた牛の肉を、オーガニックビーフとして市場に出したところ、物すごく評判となって、一つのブランドになって、この興部町のまちおこしに一役を買っているということであります。この農家さん、2016年に有機飼料、有機農産物の認証を取り、そして2019年には有機畜産物の認証を取り、現在のオーガニックビーフの販売にこぎ着けたということであります。 そして、同じく酪農、畜産では、十勝においては、スロウという雑誌ありますけども、実は先日、そこに載っておりまして、広尾の鈴木牧場さんが無農薬の牧草で循環型の牧場を経営。牧草だけじゃなく、牛が食べるための人工の塩の塊、これ鉱塩というそうでありますけども、この塩も、広尾の海からくみ上げた海水で塩をつくって、それを牛に与えていると。そうすると、鉱塩よりも食いつきが全然違うというんですね。そのぐらい今、この鈴木牧場さんは有機に力を入れておりまして、もう既にオーガニックビーフハンバーグという商品化、そして自分の牧場でつくった塩も、今お土産として売っているということであります。 こういう、非常に先駆的に取り組まれている農家さんも、もちろん先ほど30幾つという話ありました。有機に携わっている農家さんがあるということを、まず分かったわけであります。 そこで、次に有機農業の取組みの拡大に合わせて、先ほども有機飼料だとか有機畜産物だとかありますけども、この有機JASの認証制度というものがあります。 つまり、オーガニックという商品を出すには有機JASを持っていなければ、オーガニック野菜だとかオーガニックビーフだとかって売り出すことができないわけでありますけども、この有機JASの認証制度、どういうものなのか、伺いたいと思います。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 JAS法に基づき有機JASに適合し、環境ヘの負荷を低減した持続可能な生産が行われていることを第三者機関が検査し、認証された事業者に有機JASマークの使用を認める制度であります。 具体的には、有機農産物につきましては、堆肥等の施用により土づくりを行うとともに、化学合成された肥料や農薬を2年以上使用せずに栽培することや、遺伝子組換え技術を使用しないことなどの定めがございます。 有機畜産物につきましては、有機農産物などを飼料として与えること、また、動物医薬品等の使用制限、動物福祉への配慮などにより飼養されたものとされたものとされているところでございます。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) それでは、帯広市で、この有機JASの認証を持っている農家さんはどのぐらいあるのでしょうか。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 帯広市内では、9戸の生産者が有機JASの認証を取得しているところでございます。 ○有城正憲議長 藤澤昌隆議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) 先ほどの鈴木牧場さんは、オーガニックビーフをつくっています。次にやりたいのが、有機の牛乳だそうであります。ところが、それをつくる工場だとか、そのラインがない。でも、このオーガニックの牛乳、有機の牛乳は、雑味がなくて物すごいおいしいというんですね。非常に、有機の牛乳が出てくることを楽しみにしたいなと思っているところではあります。 最後に、本市における有機農業の展望について伺いたいと思います。 ○有城正憲議長 池守農政部長。 ◎池守康浩農政部長 有機農業の拡大につきましては、当地に合った新たな生産技術体系の確立はもとより、収量の確保や市場において適正な価格で取引されること、また、生産者や食品企業、消費者の理解や行動変容なども重要となってくると考えています。 まずは、現在取り組んでいる減肥、減農薬を進め、広く地域で普及促進を図りながら、その先に今後開発される技術や機械などから、地域農業に合ったものを見極めて導入することで、有機農業の拡大につながるものと考えております。 生産者や農業団体をはじめ関係機関と連携し、新たな技術開発などにも注視しながら、環境に配慮した持続可能な農業を進め、地域農業のさらなる発展につなげてまいる考えでございます。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) このみどりの食料システム戦略は、2050年までの長期にわたる計画であります。そして、持続可能な農業の骨格となる戦略であります。SDGsの理念に沿って考えれば、何ひとつ無駄なものはないわけでありますが、その取り組むべき課題は物すごく高い目標であります。しかし、一つひとつの課題をクリアしていけば、決して到達できない目標ではないと考えます。その一つひとつが大変ではありますが、持続可能な、そして環境に負荷をかけない農業は、また一つ、十勝の農業に安心・安全の付加価値をつけるのではないでしょうか。 今後は、環境問題、食品ロスの課題解決、林業のイノベーションなど、このみどりの食料システム戦略が基準になることは言うまでもありませんが、まずは、この基本計画の策定に向けて十分な検討をしていただきたいと思います。 続きまして、障がい者に優しいまちづくりについて、2問目の質問に移りたいと思います。 合理的配慮でありますけれども、実は、函館市選挙管理委員会が昨年10月の衆議院選挙で、学生を対象に募集をした投開票の事務アルバイトで、函館市在住の大学生が聞こえないことを理由に、不採用にしたことが12月8日明らかになりました。 学生と対話をせず、障害の特性を把握しないまま不採用を決めた経過から、不当な差別的取扱いを禁じた障害者差別解消法に基づく合理的配慮に欠けるとの声が、一般紙でも相次いで報道されました。 学生は聴覚障害なので、筆談などの対応を求めたそうであります。しかし、函館市の選管は職員間で協議の上、投票に来られた方への説明場面が多く、筆談や指さしでは対応が難しいと判断し、10月5日に、この学生に対しメールで不採用を伝えたそうであります。その後、弁護士と相談し、親族をはじめ北海道ろうあ連盟など関係団体の賛同を得て、函館市選管に意見書を提出、本年1月13日付で函館市選挙管理委員会では、対応の不備を認め陳謝したとのことであります。 学生の父親は、函館市の元職員でその経験から、入場者数を数える業務、投票用紙を渡す業務で言葉を交わすことはないとして、一連の函館市の対応に疑問を呈し説明を求めましたが、記録を残していないとの返答で説明されず、それで意見書の提出となったそうであります。 障害者差別解消法は平成28年4月1日施行、そして先ほど答弁がありましたが、昨年5月に改正されたところであります。例えば、聾者は耳が不自由なだけで、手話や筆談で意思は通じます。そのちょっとした配慮、合理的配慮で普通に仕事をされている方はたくさんおります。しかし、この函館市選挙管理委員会の事例では、残念な結果となってしまいました。 ノーマライゼーションとかバリアフリーというのは、社会的弱者に変化を求めるのではなく、社会の在り方そのものを変えることで、社会的弱者が生きがいを見つけ、それぞれの役割を担っていけるのではないかと思います。 そこで質問いたします。函館市の事例のように、障害者への差別を差別と思わず、当たり前のように無意識にしてしまう。私は、まだまだ合理的配慮という意味も、言葉も浸透していないのではないか、このように思います。 改めて、合理的配慮ということはどういうことなのか、帯広市は市民や事業者に対し、どのように周知と説明をしているのか、伺います。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 合理的配慮とは、障害のある人から、日常生活や社会生活を送る上で妨げとなっている社会的障壁への何らかの対応を求められたときに、本人が感じている困難さを取り除くため、一人ひとりの特性や場面に応じ、負担が重過ぎない範囲で配慮することであります。これは建設的な話合いの下に、相互の理解を得ながら行うものとされているところであります。 合理的配慮につきましては、帯広市としましては、ホームページや広報おびひろへの掲載などにより、広く市民に周知してきているほか、様々な相談対応の機会を通じまして、周知啓発を図ってきてございます。 今後はさらに、ふれあい市政講座に合理的配慮のテーマを位置づけるほか、民間事業者をはじめとして、市民の皆様の障害者理解が進むよう、講演会の開催などを予定しているところでございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) 次に、これは帯広で実際にあった事例を紹介したいと思います。 東京から帯広に移住を決めた聾者の方がおります。まずは、アパートを探すために地元の不動産を紹介してもらい、やり取りをします。聴覚障害があるということは、不動産屋さんも承知をしており、やり取りはメールでやっておりました。しかし、そのメールのやり取りがかみ合わない。私はその間に立って、ちょっとだけお手伝いをしたわけであります。 私は直接不動産屋さんに行って、聴覚障害者の特性として、日本語の単語は理解できますが、それが長い文章になると、理解が難しくなります。また、そもそも幼少の頃から聴覚障害があると、日本語の概念がなく、健常者と同じような文章のやり取りは難しい。このように細かく説明をさせていただきました。 もちろん、障害者差別解消法のパンフレットも持ってです。しかし、その後のメールの連絡なんですけれども、これは僕に届いたメールですけれども、ほとんどの管理会社からお断りされ、大変失礼ながら物件を選ぶことはできませんでした。これが不動産屋さんの答えであったわけであります。つまり聴覚障害者であることで、市内の不動産管理会社は入居を断ったというメールです。 私は、その後、すぐさま不動産屋さんに行って説明を求めました。その答えは、我々も貸す責任がありますので、だったんです。つまり、これはどういうふうに解釈をすればいいのか、我々も貸す責任があるので、何かあったら、責任を取らなきゃいけないので、今回はお断りします。このように取っても仕方がないのではないかという、返答でありました。 このことで、この帯広の事例、そしてこの函館の事例、そのときは、決して差別をしている認識はないと思います。しかし、障害者差別解消法の法律から見れば、差別であることは間違いありません。きっと障害者の方たちは、私たちの、つまり健常者の目の届かないところで、このような差別を、いわゆる無意識の差別を受けているのかもしれません。この無意識の差別は、当事者にとっては差別をしているという認識がないので、そこの部分を改めようという意識も薄いと思います。 障害者差別解消法は昨年5月に改正され、障害を理由とする差別の解消は、努力義務から義務になりました。障害者自身に社会的変化を求めるのではなく、社会が、事業者側が、障害者の環境に変化することがノーマライゼーションの理念であります。帯広市は、その理念がまだまだ浸透していないのではないか、このように思うわけであります。 そこで、帯広市の企業に対し、また、特にこの宅地宅建業者に対し、障害者差別解消法のリーフレットの配布をしてはどうでしょうか。特に住居に関しては、生活の根本に関わる問題であります。障害者差別解消法や合理的配慮のリーフレットを配布し、周知を徹底していただきたいと思いますが、御所見を伺います。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 障害のある人が、地域で安心して日常生活、社会生活を送ることができる環境づくりを行うためには、行政や福祉関係者はもとより、市民や民間事業者への合理的配慮に関しますより一層の周知が必要であると認識してございます。 現在、帯広市地域自立支援協議会の差別解消部会の構成団体でもあります帯広商工会議所をはじめ、不動産の関係団体など地域の事業者からも、周知の手法にきまして御意見を伺っているところでございます。 今後も合理的配慮の考えが広く浸透するように、分かりやすく効果的な情報発信や周知の在り方につきまして、前向きに検討を進めていきたいと思ってございます。 以上でございます。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) ぜひともこの部分は、その方は11日に御夫婦で来帯されますが、僕も一生懸命探しまして、いい大家さんが見つかって、入れることにはなりましたけれども、ただ、この不動産屋さんのメールに関しては、本人にも、こういうことがありましたと伝えました。そしたら、本人は慣れているとは言いませんけれども、すぐに、また自分で一生懸命インターネットで、ここはどうですか、ここどうですかって探しているんですね。 帯広市として、僕は帯広市民として、こういうことがあっていいのかということを、自責の念に駆られまして、自分のことでないとはいえ、何か自分自身が差別をされたような気持ちになって、今、また11日以降来られたときに会って、いろいろお話をさせていただこうかなと思っていますけども。 最後に、もう一つ案件を紹介したいと思います。 聴覚障害者の方の入院に関してでありますけれども、今まで聴覚障害者の方が入院の際、また病院に関わるものは手話通訳者を同席して、聾者と医者との双方の通訳をしてスムーズな対応しておりました。ところが、ここに来て、コロナ禍の影響で入院に関して、病室まで通訳者が入ることができず、受付で分かれてしまった後の対応がとても心配だというお話を伺ったところであります。 確かに、今コロナ禍で、身内ですら病室に入ることが制限される中で、手話通訳者が病室まで付き添うことはかないません。しかし、私も経験がありますけれども、入院の初日というのは、いろいろと看護師さんから説明を受けるわけであります。病院側も聾唖者ということで筆談だとか様々に気を遣われるだろうと思いますけれども、先ほども申しましたけれども、聾者にとって筆談でもできますけれども、病院だとか病気だとか専門的なものになると、文字では難しい部分が出てくるんです。やはり手話による会話が一番安心なんですよね。 そこで、今、全国的に電話リレーサービスが普及しつつあります。形は違いますけれども、必要とあらばタブレットを通じて、入院中の聾者の方と市の通訳者が手話で会話をして、その意思を伝える仕組みをつくるべきではないかと思います。 看護師さんの中には、簡単な手話が使える方もいるかもしれませんけれども、医療や病気に関わる言葉は難しくて、文字では伝えられないこともあります。その点、手話であれば、聾者の言わんとしていることや、看護師が言わんとしていることはストレートでつながります。 そこで提案ですけれども、このような入院に関わるような案件に対して、聾者の意思疎通をスムーズに行うためにも、タブレットなどを使った遠隔で手話通訳ができる、今既にやっている電話リレーサービスのような、そういう仕組みをつくるべきだと思います。 これは早急に検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○有城正憲議長 下野福祉部長。 ◎下野一人市民福祉部長 現在の新型コロナウイルス感染症の流行によりまして、手話通訳者の感染リスクがあることのほか、医療機関から通訳の同行を認められないなど、病院受診時や入院等に手話通訳者の対応はできない状況があるということは、伺っているところでございます。 遠隔での手話通訳につきましても、通訳者が受診に同行しなくても、スマートフォン等を通じて意思疎通支援を受けることができるなど、聾者が安心して地域生活を送るために、必要な仕組みであるとも認識してございます。 このような仕組みの導入に当たりましては、実際に利用する聾者や手話通訳者の意見も踏まえながら、経費や運用方法等につきまして、しっかりと検討を進めてまいりたいと考えてございます。 以上であります。 ○有城正憲議長 藤澤議員。 ◆13番(藤澤昌隆議員) これは、ぜひとも早急に検討していただきたいと思います。まだまだ、このコロナ禍の中で今、実はろう協、また僕も手話サークルへ行っていますけれども、やっぱり高齢化になっているんです、聾者の方も。高齢化された聾者の方のそういう社会的な、病院だとか、もしくは施設ということも考えられるかもしれません、今後ですね。そういうことを考えたときに、ぜひともこのリレーサービスのような仕組みを、独自でも構いませんけれどね、仕組みをつくっていただきたいと思います。 最後に、意見とします。 第41回全国高校生読書体験記コンクールで、筑波大学附属聴覚特別支援学校高等部3年生の奥田桂世さんの作品「聾者は障害者か?」が、最優秀の文部科学大臣賞に選ばれました。読んだ本は、ヤマザキマリ著の「生贄探し 暴走する脳」で、内容は、人は異質なものを排除しようとする脳の癖を持っているという脳科学者の言葉に触れ、自分の持つ優位性を自覚して、安心する心理が全体に働くのかもしれない。それが、障害者という言葉が消えてなくならない原因では、このように指摘しています。そして、彼女は、自分と異なる人間を受入れ、尊重し合い、配慮が普通にできることが多様性を維持する社会実現への第一歩になるのではと結論づけております。 生まれつき聾者である奥田さんのこの言葉には、本当に奥が深い、含蓄のある言葉だと感服いたしました。残念ながら、帯広市は障害者、聴覚障害者の方々が安心して住宅を探せない、まだそのような環境にあると思います。これは帯広市の一部の企業には、合理的配慮というものが浸透していないのではないか、こういう事実にほかならないと思います。どうか障害者の方々が安心して暮らせる帯広市にするためにも、障害者差別解消法のリーフレットの宅建業界への全戸配布、市長に強く要望したいと思います。 最後に、アピアランスケアについてでありますけれども、これはもう何回も質問することはいたしません。もう本当に、外見ケアは大事だと僕も思っております。命があれば見た目なんて、こういう言葉もあります。意見もありますけれども、毎日見る自分自身だからこそ、見た目は治療中のメンタルヘルスに大きく関わってきます。また、アピアランスケアは、単なる美容目的ではなく、がん治療にとって生じた外見の変化を補い、患者さんの苦痛を軽減するためのケアであります。医療が直接的なケアとするならば、外見ケアは間接的な、心理的なケアということになるのではないかと思います。 アピアランスケアを簡単に言うならば、当事者が家族を含めた人間関係の中で、そして人らしく過ごせるように支援をすることであると思います。どうかこのアピアランスケアの助成制度、ぜひとも鋭意検討して、実現をしていただきたいと思います。 以上で全ての質問を終わります。ありがとうございました。 ○有城正憲議長 以上で藤澤昌隆議員の発言は終わりました。 ここでお諮りいたします。 本日の会議はこの程度とし、散会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○有城正憲議長 御異議なしと認めますので、そのように決定いたしました。 本日はこれをもちまして散会いたします。         午後4時14分散会...